仮想通貨相場反発、下落の続いたイーサリアムが一時2000ドル台回復
仮想通貨市況
31日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインが前日比+5.4%の404万円(31,593ドル)と反発した。
インフレ抑制のための金融引き締め局面において、マクロ経済の不確実性が高まる中、株式や暗号資産(仮想通貨)などのリスク資産で売り優勢となっていたが、一旦下げ止まった格好だ。
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時価総額2位の暗号資産であるイーサリアム(ETH)は前日比+6.82%と反騰。一時2,000ドル台を回復した。
DeFi(分散型金融)市場からの資金流出とETH価格の低迷に伴い、イーサリアムブロックチェーンのトランザクション手数料(ガス代)が年初の1/10水準まで下落した。また、Glassnode Alerts(@glassnodealerts)のデータによれば、イーサリアム(ETH)の週平均取引量は過去18ヶ月で最も低い42,957まで減少していた。
好材料もある。イーサリアムのテストネット「Ropsten」にて、大型アップグレードThe Merge(ザ・マージ)が正常に起動したことが報告された。
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コア開発者らが巨大なマイルストーンに置く、オリジナルのビーコンチェーンとの統合は6月8日に実現する予定がある。
The Mergeは、イーサリアムチェーンのコンセンサス(合意形成)アルゴリズムを従来の「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」から「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」へ移行する大型アップグレード。
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Kaiko市況レポート
大手デジタル資産データプロバイダであるKaiko(カイコ)がレポートを掲載、市場について分析を行った。
米株指数との相関係数は依然高い水準にあるものの、0.7まで減少した。
これは過去1ヶ月では最も低い値となる。
テラ(LUNA)・UST崩壊後の相場のクラッシュが発生した5月12日、コインベースで210万件を超える記録的なビットコイン(BTC)取引数が観測された。
一方、取引量ではFTXが急進。平均取引量2,000ドル(約26万円)は、コインベースの2倍近くに達する。
バイナンスBTC/USDT通貨ペアとの乖離を示す「コインベース・プレミアム」の剥離も注目される。6ヶ月の間プラスを推移していたコインベース・プレミアは5月でマイナスに転じた。
この点についてカイコは、ユーザー属性の違いを理由に挙げる。バイナンスは小口投資家(リテール)メインに対し、コインベースでは機関投資家の取引量は実に76%以上を占める。
そのため、機関投資家の市場心理が悪化したことを示唆するという。
5月には、FTXのBTC/USDの出来高が初めて米最大手取引所コインベースを上回った。FTXの市場シェアは、過去18ヶ月で5%から44%まで上昇している。
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