北欧ノルウェー、「パブリックイーサリアム」ソリューション導入へ L2レイヤーのアービトラムを活用

非公開企業向けの資本政策表

北欧のノルウェーは22日、「パブリックイーサリアム」ソリューションの展開を準備していることを発表した。

この情報は、ブロックチェーン企業SymfoniのJon RamviCEO(最高経営責任者)が24日に行ったツイートによって注目を集めた形だ。ソリューションはセキュリティを強化するもので、同氏によると「非公開企業向けの資本政策表として機能する」という。

Ramvi氏のツイートの後、レイヤー2ソリューション「Arbitrum(アービトラム)」が、この報告を追認。同ソリューションがノルウェー政府に採用されたことを明かした。

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トークン規格はERC1400

「Arbitrum」は、NFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)の利用増加によって高騰するイーサリアムのメインネットの取引手数料(Gas代)などの課題を改善するために開発されたレイヤー2技術。昨年8月に「Arbitrum One」という第一号のメインネットがローンチされている。

レイヤー2(L2)とは

「2層目」のブロックチェーンのこと。取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。

▶️仮想通貨用語集

セキュリティトークンの規格にはERC1400が採用される。同規格は、ERC-20とERC721を組み合わせたもので、セキュリティトークンの発行や償還などを可能にする。Ramvi氏は、プラットフォームはイーサリアム(ETH)のソフトウェア企業ConsenSysのERC1400を中心に構築されると説明した。

分散型ネットワークCeramic Networkも導入され、個人情報の管理に使用される。EUの一般データ保護規則(GDPR)によって、個人情報の削除機能が要求されるのが理由。また、「レガシーバックエンド」やWeb2開発茶向けのSDK(ソフトウェア開発キット」も提供される予定だ。

CBDC検証を実施中

ノルウェーは現在、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の検証を進めている。このプロジェクトは、ノルウェー中央銀行が実施しており、レイヤー2を含む、様々な技術が検証される計画。5月には、L2ソリューションでL2最初の決済ネットワークとして知られるNahmiiを、サンドボックスプロジェクトに採用したことを発表した。

同中央銀行は、2017年からCBDCに関する検討を行っており、21年には今後2年間、様々な技術テストを実施する予定であることを公表していた。Nahmiiは、今回のサンドボックスには、ノルウェーの主要銀行のすべてが参加する見込みと説明している。

CBDCとは

「Central Bank Digital Currency」の略称で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された法定通貨を指す。送金コストの削減や効率性向上などが期待できる反面、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題も多い。

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