CoinPostで今最も読まれています

米マスターカード、イーサリアム開発企業ConsenSysと協業

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアム開発企業と協業

米決済大手マスターカードは、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のソフトウェア企業ConsenSysと協業していることが分かった。

ConsenSysがマスターカードの専門技術を活用し、「ConsenSys Rollups」というスケーリングソリューションを開発。イーサリアムのメインネットやプライベートネットワークにおける処理能力とプライバシー機能を向上させることが目的だ。

両社の関係については今年4月、ConsenSysが6,500万ドル(約70億円)の資金調達を行なった際に、マスターカードも出資に参加したことが発表されている。その時に調達した資金で、イーサリアムネットワーク上のDeFi(分散型金融)とWeb3(分散型ウェブ)、また企業向けのブロックチェーンインフラの開発を進め、従来の金融サービスとの融合を加速させると説明していた。

関連イーサリアム開発企業ConsenSys、マスターカードやJPモルガン等から資金調達

ConsenSysは今回の公式発表で、イーサリアムのネットワークはDeFiやNFT(非代替性トークン)、ゲーム、Web3.0、メタバース(仮想空間)といった領域で利用が急増したと説明。イーサリアムのアドレス数は1.7億超に達して今までで最も利用が増えており、1日に何万という数の新規アドレスが追加されているとした。

関連大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説

そして「この状況は、処理能力やプライバシーを強化するソリューションの必要性を示唆している」と指摘。特にプライベートネットワークでの利用では、処理能力に加え、プライバシー機能も重要視される。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使ってゲームや音楽のライブ、オンラインカンファレンスに参加できるなど、様々な領域で活用が期待されている。

▶️仮想通貨用語集

ConsenSysはConsenSys Rollupsについて、ユースケースの例として以下のような内容を挙げた。

  • 中央銀行デジタル通貨(CBDC)の送金
  • DEX(分散型取引所)やNFT電子市場
  • 少額決済
  • プライベートな送金と納税

関連中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは|ビットコインとの違いと主なメリット

マスターカードでデジタル資産・ブロックチェーン関連部門の幹部を務めるRaj Dhamodharan氏は今回の協業について、以下のようにコメントしている。

 

我々は、ブロックチェーンが実世界に存在する問題を解決するのに役立つと信じている。一方で、ブロックチェーンの活用には、プライバシー機能と処理能力で消費者を守ることが不可欠だ。

 

ConsenSysとの協業は、我々にとって重要なステップになるだろう。

ConsenSys Rollupsについて

ConsenSys Rollupsは、上述したユースケースからも分かるように、許可型のアプリケーション向けのソフトウェアソリューション。処理能力とプライバシーの向上に特化しており、イーサリアムの仮想マシン(EVM)と互換性のあるブロックチェーンで利用できる。

イーサリアムのメインネットはもちろんだが、イーサリアムを基盤にした事業向けネットワーク「ConsenSys Quorum」でも使えるという。

今回の発表では、ConsenSys Rollupsを利用したプライベートチェーンで現在、1秒間に処理できる取引数(TPS)が1万まで達していると説明。ConsenSys Rollupsを使わないプライベートチェーンだと300TPS、イーサリアムのメインネットは15TPSであると述べている。

処理能力とプライバシーを向上させるために利用されるのは「ゼロ知識証明」という暗号技術。ゼロ知識証明を理解するには、数学や暗号理論の知識が必要となるが、概念としては「相手に根拠を開示しなくても(=ゼロ知識)、主張の正当性を証明できる技術のこと」である。

例えば、ゼロ知識証明を活用することで、送金者、受取人、送金額などの取引内容を第三者に明かすことなく、その取引が不正でないことを証明することが可能だ。

このような特性から、最初はプライバシー技術として注目されたが、最近ではブロックチェーンの処理能力を高める技術としても活用されている。「ゼロ知識証明は、特定のブロックチェーンの外部で処理を行ない、その過程を提示しなくても、その処理が正しく実行されたことを証明できる」というように応用。これによって、ネットワークの取引を分散させ、処理能力を向上させる仕組みだ。

ConsenSysは今回、ゼロ知識証明を活用したソリューションはプログラムによって応用が可能なため、新しい機能を追加していくことや処理能力をさらに高めることもできるとした。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/16 月曜日
15:00
テザーなどステーブルコイン発行企業4社、北朝鮮ハッカー集団保有の7億円相当を凍結
ステーブルコイン発行企業4社が北朝鮮ハッカー集団ラザルスの資金と思しき7億円相当の暗号資産(仮想通貨)を凍結した。3年間で280億円のマネーロンダリングも明らかに.。
14:45
コインベースCEO、ブラックロックへのビットコインIOU発行疑惑を全面否定
米大手仮想通貨取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ブラックロックに対しビットコインの借用証明書(IOU)を発行し、相場操縦しているとの噂を全面否定。ETF運用について説明した。
14:23
イーサリアム次期アップグレード「Pectra」、2段階の実施案が浮上
イーサリアムの次期アップグレード「Pectra」を2段階で実施する可能性を開発者会議が検討中。Pectraの内容も解説。
11:00
仮想通貨ウォレット「BOSS Wallet」でのステーブルコインUSDTの保管方法を解説
ステーブルコインUSDTは、BOSS Walletのような仮想通貨ウォレットでチェーンに関係なく保管できます。この記事はBOSS WalletでのUSDTの保管の仕方についてご紹介します。
10:00
ユーザーファーストの分散型仮想通貨ウェアウォレットBOSS Walletとは
BOSS Walletは、ユーザー中心の分散型仮想通貨ソフトウェアウォレットであり、単一の秘密の復元フレーズで複数のウォレットを作成可能にしています。本記事は特徴や使い方を解説します。
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。
13:20
「RWAトークン化市場が1.7兆円規模に成長」バイナンスの最新リサーチ
バイナンスが現実資産(RWA)トークン化市場を分析。米国債トークンが牽引し、1.7兆円規模に。法的課題や今後の展望も解説。
12:00
リップルX幹部が語る対SEC裁判やIPO|WebX2024インタビュー
WebX2024でRipple(リップル)X幹部に取材。長年に渡る米SECとの裁判や株式上場(IPO)の可能性、仮想通貨ステーブルコインの開発、日本市場の重要性について語られた。
11:00
FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
FTX破綻事件において詐欺などで25年の判決を受けたサム・バンクマン=フリード前CEOが控訴。支払能力があったと主張し、再審を要求。
09:38
バイナンスのソラナステーキング「BNSOL」、資産運用の新たな選択肢に
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは12日、独自のソラナリキッドステーキングトークン(LST)である「BNSOL」の提供を正式に開始した。
08:30
米SEC、「仮想通貨証券」の表現を削除
米SECがバイナンスとの裁判で訴状を修正し、仮想通貨証券という表現を削除した。その理由について述べている。
07:30
ワールドコインのワールドID、ソラナブロックチェーンで利用可能に
サム・アルトマン氏の仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のオンチェーンIDである「ワールドID」はソラナ上でも利用できるようになった。
07:00
新経済連盟、2025年度税制改正提言を発表 暗号資産税制も含む
新経済連盟が2025年度税制改正提言を発表。暗号資産の申告分離課税導入やETF取り扱い可能化など、Web3支援策を提案。日本経済活性化と国際競争力強化を目指し、AI開発やスタートアップ支援も含む16の具体策を提示。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア