米サークル社CEO、ステーブルコインUSDCの安全性を強調  ツイッター上の噂を否定

USDCにリスクか

ステーブルコイン「USDC」を発行する米Circle社のJeremy Allaire最高経営責任者は2日、「USDCは崩壊の危機に瀕している」という噂を否定する一連のツイートを投稿した。

多くの企業が根本的な課題やリスクに直面する中、サークル社は自社とUSDCに関する独自の情報をさらに充実させた。 ユーザーが改めて考察するために、新たにのその情報をここで共有したい。 テラの崩壊後、我々はこの情報の公開を始めた。

USDCとは

米ドルと1:1の割合で価値が連動されるように運用されているステーブルコイン銘柄。サークル社とコインベースの共同事業体「Centre」が発行しており、取引の基軸通貨として利用されるほか、DeFiの貸付などでも広く活用されている。

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噂の出どころは、@CryptoInsider23を名乗るGeralt Davidson氏のツイート。サークル社がUSDC準備金の債務不履行に陥るリスクがあり、「崩壊の瀬戸際にあるかもしれない」と警告していた。

サークル社はUSDCの時価総額を押し上げるために、高い利子を払い続けており、2022年の第1四半期にすでに675億円(5億ドル)を失い、年内には2,000億円相当を失う勢いだと同氏は主張している。

また、サークル社が米国で破産申請した暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンドThree Arrowsをはじめ、BlockFi、Celsius Network、Genesis Tradingなど、現在財政難に直面している企業にエクスポージャーがあったと指摘した。

関連:仮想通貨ヘッジファンドThree Arrows、米国で破産申請

USDCの信頼性をアピール

Allaire氏は、「仮想通貨業界における詐欺師の歴史を考えると、一部のユーザーが疑心暗鬼になるのも理解できる」とする一方で、サークル社は、常に最高の基準を守ように心がけていると強調。そのため、規制当局をはじめ、一流の保証会社や金融機関と協力する体制が築けたのだと述べた。

関連:USDC発行企業Circle、500億円を資金調達へ ブラックロックら4社が出資

具体的なUSDCの安全性や信頼性の担保について同氏は、サークル社の一連のブログを紹介している。

  • 安定する方法についてーUSDCの透明性と信頼性
  • 開発者向けQ&A
  • 信頼を築くにはーUSDCの監査と認証
  • USDC 透明性と信頼ー流動性の重要性

ブログの中で、USDCの準備金については、BlackRockやNew York Mellon銀行など、米国の大手金融機関の管理・保管下に置かれており、その内訳は、現金と満期が3ヶ月以内の米国債からなる米国政府短期債券で保有されていると記されている。

また、2018年のローンチ以来、USDCの準備金は毎年、「世界有数の」会計事務所により監査を受けているのに加え、毎月、会計事務所が、準備金の口座残高と流通するUSDCの量を調査し認証した上で、月次報告書を発行しているという。

さらに、ブログでは最近はUSDC準備金について、その額と構成、USDCの発行と償還の量に関するデータを、毎週公開し、透明性を高めていると説明されている。

保守的なアプローチ

サークル社は、USDCの預け入れで利息を得られる「Circle Yield」という商品を提供している。(最低1ヶ月からの預け入れで、現在の固定金利は1%)

Allaire氏は噂に関して、USDCの準備金そのものと、融資市場で使われているUSDCについて「明らかにいくつかの混乱がある」と指摘。Circle Yieldは規制に準拠し、適格投資家のみに提供されており、過剰担保の確保など「非常に保守的なアプローチをとっている」ために問題はないと主張している。

有識者の意見

「Wu Blockchain」を運営する仮想通貨ジャーナリストColin Wu氏は、「USDCが大きなリスクを抱えている」というDavidson氏の主張に反論している。Wu氏は独自の分析を通して、「ステーブルコインに対する厳しい規制と、サークル社のコンプライアンスに対する慎重なアプローチを考慮すると、崩壊の噂を信じるべきではない」と警告している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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