金融NFTの市場拡大に期待、「ERC-3525」正式に承認
金融NFTの可能性
金融NFTの分散型市場を構築する「Solv Protocol」は6日、ERC-3525がイーサリアム(ETH)の新トークン規格として承認されたことを発表した。
ERC(イーサリアムコメント要求)-3525は、ERC-721に代表される従来のNFT(ノンファンジブルトークン)を強化するもの。保険証券や債券といった金融商品を表現するのに適したトークン規格である。
NFT(ノンファンジブルトークン)は、識別性を示すユニークなIDを持ち、ゲームアイテム、音楽、ドメイン名、アートワークなど唯一無ニなデジタルアイテムを表す。
ERC-3525はNFTに新たに「種類データ(SLOT)」を組み込むことで、同じSLOTを持つNFTであれば、IDが異なっていてもその価値(value)の「分割やマージ(量的操作)」を可能にする。
Solv Protocolの共同創設者Yan Meng氏は以下のように例えている。
ERC-3525で発行された紙幣があるとして、(IDが異なる)5ドル紙幣と10ドル紙幣は(SLOTが同じため)合計できるが、日本円紙幣とは(SLOTが異なるため)合計することはできない。
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セミファンジブルトークン
ERC-3525は、既存のERC-1155と同様に「SFT(セミファンジブルトークン)」と定義されているが、その違いは量的性能(足し算引き算が可能)にある。
現状、ERC-1155は「ID, VALUE」を管理する2層構造となっており、ゲーム内通貨やコレクションアイテムや武器などのアイテムなど、代替要素が存在するゲーム業界で特に使用されている。主にアプリケーション開発者にとって、同類のトークンを一括して更新するのに便利な点が特徴的だ。
ERC-3525は「ID, SLOT, VALUE」の3層構造となっていることから、前述のマージ・分割が可能であり、保有する株式の一部譲渡などが可能になる。Meng氏は金融商品のイノベーションに「桁外れの柔軟性を提供できる」と述べている。
Solv Protocolが設計したERC-3525は、多くのイーサリアム開発者からサポートを受け、提案から確定まで20カ月かけてブラッシュアップされた。ERC-721が確立した2018年以降、NFT市場は数百億ドル規模に発展(21年末時点)したが、ERC-3525によりトークン化された金融商品の新たなユースケースと市場の発展が期待されている。
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