Astar Network(ASTR)とbitbank、エコシステム拡大で協議開始
Astar Networkの発展を支援する取り組み
⽇本発のパブリックブロックチェーンAstar Network(ASTR)と暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するビットバンク株式会社は5日、Astar Networkエコシステムの発展を支援する取り組みについて協議を開始したことを発表した。
主に以下の分野で取り組んでいく予定だと語った。
- イーサリアムバーチャルマシーン(EVM)への対応
- Astar上のERC20規格トークンへの対応
- Astarエコシステム上のプロジェクトトークンの取扱
- Astarエコシステムや開発者に対する支援
EVMとは
スマートコントラクトを実行するための「翻訳機」。イーサリアムクライアントのネットワークに保持されるステートマシン(入力条件と現在の状態によって次の状態が決まる論理回路)であり、ブロック生成の度にトランザクションやスマートコントラクトを実行してネットワークの状態を計算する役割を担う。
▶️仮想通貨用語集
ビットバンクは9月26日に、日本の取引所としては初めて、Astar Networkのネイティブトークン「ASTR」を上場したところだ。これを受けて、Astar Networkの渡辺CEOは「日本の企業がASTRトークンの購入、売却がしやすくなったこと」は大きいとして、次のように述べている。
これからAstar上でアプリやユースケースを展開する大企業やスタートアップがAstarトークンを使用してユースケースが作れることができるようになったことで、より多くの企業がAstarエコシステムに参入してくることを期待していますし、そのような企業さんを我々はサポートさせていただきたいと考えています。
日本企業との連携やコラボレーションを行っていくことや、Astar/Shidenでサービスや事業を開発するプロジェクト向けの調査・研究・協力組織「Astar Japan Lab」を11月末頃より本格稼働する予定であることにも触れている。
Aster Networkは、「dApps(分散型アプリ)ハブ」を目指すポルカドット(DOT)のパラチェーンのひとつだ。ASTRトークンは、dAppsステーキングやトランザクション手数料の支払い、ガバナンス投票などに使用することができる。
国内展開を強化
Astar Networkはすでに、日本国内での展開を広げつつあり、様々な企業との提携を開始している。
9月28日には、Web3(分散型ウェブ)ディベロップメントカンパニーのGinco株式会社との提携を発表。Gincoは、Aster Networkに対して、企業向けカストディソリューション「Ginco Enterprise Wallet」の提供と開発支援を行い、エコシステムの拡大を支援していく。
大手企業との提携事例もある。SMBC日興証券株式会社は9月27日、「Astar Japan Lab」に参加することを公表。
さらに、広告大手の博報堂も同日、Astar Network開発元Stake Technologiesと、ジョイントベンチャーを設立することを明かした。新会社では、企業のWeb3参入と普及を目指すための取り組みが実施される予定だ。
その他に文化芸術分野でも活用され始めている。「ファイナルファンタジー」のキャラクターデザイン等で知られる世界的アーティスト天野喜孝氏は9月29日、Astar Networkの分散型ネットワークを使用したWeb3プロジェクトを発足すると発表した。
関連:FFシリーズ等を手掛ける世界的アーティスト天野喜孝氏、Astar NetworkでWeb3プロジェクトを始動
また、オンライン演劇動画配信サービス「観劇三昧」を運営している株式会社ネクステージは3日、Astar Japan Labに入会したと公表。オンライン観劇サービスにWeb3やメタバースの技術を取り入れ、新しい演劇の楽しみ方を提案していくと説明している。
渡辺創太CEOは、Web3に関する有識者としても活動しており、4月には自民党の河野太郎 広報本部長(当時)、平将明 ネットメディア局長と対談。Web3の可能性や、ガバナンストークンへの時価評価課税など日本の仮想通貨関連制度の課題などを語っている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します