ビットコイン大幅反発、CPI前後に金融相場が乱高下
マクロ経済と金融市場
昨日の米NY株式市場では、ダウは前日比827ドル(2.8%)高で3万ドル台を回復。ナスダックは前日比232ドル(2.2%)高と大幅反発した。
CPI(米消費者物価指数)は前年同月比8.2%上昇となり、市場予想の8.1%を上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除く「コア指数」も市場予想を上回り、1982 年来の記録的水準を付けた。
これに伴い金融相場は発表直後に急落したものの、先んじて下落するなど織り込んでいたことから底割れに至るほどのインパクトは認められず、今後ピークアウトに向かうとの観測もあり、その後反騰した。
直近相場では、ウクライナ情勢を巡る地政学リスク上昇やCPIへの警戒感などから大口のポジション動向がディフェンシブに傾倒していた。そのため、パニック売りが一巡すると短期筋の買い戻しを誘い込み反転。やがてショートスクイーズを引き起こしたものと見られる。
今回のCPI通過により当面の重要指標発表が一服することで、過度の警戒感が台頭していた投資家心理も緩和されたか。
11月3日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.75%の大幅利上げは織り込み済みであり、焦点は12月以降のFOMCとなるだろう。
まずは11月8日に控える米国中間選挙に向け、潮目に変化が訪れるかどうか注目される。中間選挙は、2024年に行われる「大統領選」の前哨戦という位置付けであり、今後の動向は米国の政策方針にも大きな影響を及ぼし得る。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比3.86%高の19,824ドルに。
BTCの年初来安値17,500ドルが迫る中、米株指数上昇を背景に反発した。長い下髭のピンバーを付けており、上値抵抗線のトレンドラインをブレイクできるかの局面にある。ただしマクロ経済の状況からすれば翌年にかけて地合い悪化の長期化は避けられない見通しで、この先の展開が問われる。
市場最高レベルのOI(未決済建玉)蓄積も相まって警戒感の募っていたBTCデリバティブ(金融派生商品)市場では、2.19億ドル(320億円)相当のロングポジションがロスカットされたが、最近の規模感からすると大人しい方であり一掃し切ったとは言い難い。
BTC Status Alertのデータによれば、バイナンス先物の建玉は急落で急減したものの、その後のリバウンド局面で再び増加している。(下図)
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アルトコイン相場
アルト市場の個別銘柄では、BNBが大量バーン(焼却)された。BNBは最大手取引所バイナンスのネイティブトークンであり、時価総額5位のメジャーアルト。
四半期ごとに組み込まれたバーン・メカニズムに則り実施されたものであり、21回目となる今回は5億7500万ドル相当額の200万BNB以上が燃やされた。
これは現在の流通量の0.013%にあたり、今後10年間をかけて1/3以上がバーンされる見通し。
BNBは先日、取引手数料と処理速度の向上を目的とした、ゼロ知識証明(ZK)ロールアップの導入発表を材料に上昇した。来年を目処とする今後のアップグレードで、ブロックチェーン最速クラスとなる秒間5,000〜10,000のトランザクションを捌く能力が見込まれる。
7日には、バイナンスエコシステムのクロスチェーンブリッジであるBSC Token Hubがハッキングされ、バイナンススマートチェーン(BSC)が一時停止する事態に陥っていた。
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