米クラーケン、ロシア関連のアカウント利用を制限=報道
EUの制裁に準拠
米拠点の大手暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンは、ロシアに関連するアカウントの利用を制限していることがわかった。
顧客へ送られたロシア語のメールを入手した海外メディアが報じているが、具体的な制限内容までは明確になっていない。SNSの投稿等を見る限り、出金は行えている模様だ。
今回、CoinPostの提携メディア「The Block」も対象のメールを入手。そして、クラーケンの担当者は、以下のようにコメントしたと報じた。
当社は、事業を展開する全地域の規制に準じている。
欧州連合(EU)がロシアへの追加制裁を発表してから、我々も規制準拠のために対応を行なった。
EUは6日、ロシア制裁の8回目の追加措置を発表。仮想通貨に関しては、金額にかかわらず、ウォレット、アカウント、カストディサービスの全てが禁止されることになった。これまでは、これらのサービスについて約140万円(1万ユーロ)までは制裁対象から外れていたが、金額的な条件が撤廃されている。
クラーケンの共同創設者Jesse Powell氏は今年3月、米CNBCのインタビューで「当社は制裁に準じる必要はあるが、無差別な利用制限は一般のロシアユーザーに不公平である。ロシアユーザーの中には、ウクライナ侵攻を支持していない人がいるかもしれない」と発言。そして、「金融サービスへのアクセスを遮断する場合は、熟慮しなくていけない」と述べていた。
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他社の対応
今回のEUの追加制裁は、ロシアがウクライナの4州を一方的に併合しようとしている動きを受けて行われている。住民投票実施の後、ロシア上院は4日に、4州を併合する条約を批准する法案を可決した。
EUの決定を受け、ブロックチェーン業界ではNFT(非代替性トークン)関連企業Dapper Labsが、ロシアと関係のあるアカウントの資金を凍結。一部ユーザーに書簡を送り、「新たな制裁が当社のサービスに直接影響している」とし、該当するユーザーは自分のNFTを閲覧することはできるが、売却したり転送したりすることはできなくなったと説明した。
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また、The Blockは以下の2社がユーザーに送付したメールも確認しているという。
- Crypto.com:EU制裁対象者のアプリへのアクセスをブロック
- Blockchain.com:ロシア国民へのカストディと報酬のサービスを提供停止
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します