英国の新首相にスナク元財務大臣が就任へ 仮想通貨普及に積極的
英国の新首相が決定
英国の元財務大臣Rishi Sunak(リシ・スナク)氏は25日、イギリスの次期首相に選出された。
スナク氏は今年4月、英国を暗号資産(仮想通貨)技術のハブ(中心)にする計画を公表していた人物。次期首相に同氏が決定したことで、英国で仮想通貨の普及が進むと期待の声が上がっている。
英首相就任を目指すにあたりスナク氏は23日、英国は偉大な国だが、現在は深刻な経済問題に直面しているとコメント。次世代の国民がより多くの機会を得られるかは、同氏所属の保守党の選択にかかっているとした。
そして、保守党のリーダーと英首相を目指す理由は、経済を立て直すためだと宣言している。
英国では10月、経済対策が市場の混乱を招いたとして、リズ・トラス氏が就任からわずか45日の時点で辞任を表明。スナク氏はその後任となる。
英保守党の協調を推進するために設立された1922年委員会は24日、保守党リーダー選出にあたり有効な指名は1名だったと発表した。これによって、スナク氏が保守党のリーダーになり、必然的に英首相に任命される運びとなった。
スナク氏は英国で初のアジア系(インド)の首相。政治家になる前はゴールドマンサックスで勤務していた経験がある。投資企業を共同創設したこともあり、こういった専門性を活かして、英国の小規模の企業や新しい企業の成長を支援してきた。
仮想通貨との関係
これまでスナク氏は、ほかの議員とともに、英国の仮想通貨推進役として大きな役割を果たしてきた。
上述した4月に発表した計画のタイトルは「英国を仮想通貨テクノロジーのハブに」。投資や雇用を呼び込んだり、消費者の選択肢を増やしたりするために以下のような対策を講じると説明していた。
- 企業が実験を行えるように金融市場インフラのサンドボックス制を導入
- 業界と密に協業するために新しい組織を設立
- 仮想通貨市場の発展を推進するために税制の競争力を強化
- NFT(非代替性トークン)で王立造幣局と協力
今回のスナク氏の首相就任によって、こういった計画を推進できるのではないかと期待の声が上がっている。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームやアート、音楽、各種証明書など幅広く技術が活用されている。スナク氏は財務大臣時代に、王立造幣局に政府初のNFT発行も依頼していた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します