仮想通貨関連株が一斉反発、ビットコインのクジラは買い増し傾向

マクロ経済と金融市場

10日の米NY株式市場では、ダウは前日比186ドル(0.56%)高で取引を終えた。

スウェーデン中銀主催のシンポジウムに登壇したパウエル議長が、「中央銀行の独立性とインフレ抑制に対するコミットメントの重要性」を強調し理解を求めたものの、金融政策への言及は控えた。

インフレ(物価高)がピークに達したとの観測もある中、12日にCPI(米消費者物価指数)の発表を控えており市場関係者に注視される。21年10月以来となる前年比+6.5%への鈍化が見込まれる。

2月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FRBは利上げ幅を0.5%から0.25%へ縮小する可能性があると指摘される。

Fed Watch Toolによれば、0.25ポイントの上昇を76.7%織り込んでいる。

Fed Watch Tool

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2023年以降のソラナ(SOL)やイーサリアム(ETH)など暗号資産市場の反発を受け、米最大手仮想通貨取引所コインベースやビットコインを大量保有するマイクロストラテジーなどの株価が反発。

米主要マイニング企業では、マラソンデジタルが前日比17.3%高、ライオットが前日比15.3%高と反発した。

これを受け、国内では大手取引所コインチェックを擁する東証上場企業のマネックスやビットバンクを擁するセレスなど、暗号資産関連銘柄が反発している。

コインベースの株価は2022年に上場来安値を更新し続けるなど大幅下落しており、業績の急悪化に伴い人件費を削るために新たなレイオフ(一時解雇)を発表していた。アーム・ストロングCEOが10日に伝えた。

運営コストを前期比1/4カットするなど難しい判断を下したとしつつ、FTX破綻を踏まえ「コインベースは十分な資本を備えており、競合他社の衰退と規制明確化は、(厳格な規制水準に準拠する)自社にとって長期的には利益をもたらす」と述べた。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.2%安の17,403ドルに。

BTC/USD日足

米株指数反発とアルト市場の活況に伴い、徐々に下値を切り上げる。

100日移動平均線(100SMA)の17,900ドル、一目均衡表の雲上とトレンドラインの重なる18,400ドル付近(①)のレジスタンスライン(上値抵抗線)をブレイクできれば200MAの19,500ドルや20,000ドルの心理的節目も視野に入る。

目先は、日本時間12日22時半発表のCPI(米消費者物価指数)が試金石となろう。市場予想を下回ればリスクオン回帰もあり得るが、想定を超えて上回るようなことがあれば相場の楽観ムードに冷や水を浴びせる可能性が高く、ボラティリティ(価格変動性)に注意したい。

オンチェーンアグリゲーターSantimentのデータによれば、1,000~10,000BTCを保有するクジラ(大口投資家)のウォレットアドレスが、過去5日間で計20,000BTC以上を買い増しした。同アドレス群の総保有量457万BTCはBTCの総供給量の23.7%を占める。

過去3ヶ月間はFTX破綻でネガティブなニュースでセンチメントは大きく毀損した。

その一方、セキュリティリサーチャーのJane Manchun Wong氏のリーク情報でTwitter社が独自通貨「Coin」を開発を継続していることが示唆されるなど、ここへきてWeb2業界のIT大手がWeb3領域に進出するといったポジティブな動きも散見される。

Jane Manchun Wong氏によれば、Twitter社のCoinの購入は、オンライン決済代行サービス「Stripe」を介して行われるようになる可能性がある。

Twitter社は昨年10月、イーロン・マスク氏が紆余曲折を経て6兆4000億円に及ぶ巨額買収を果たしCEOに就任したが、この際バイナンスが5億ドルの出資を明かすなどWeb3企業も経済的支援に乗り出した。

関連:ツイッター、独自通貨「Coin」の開発を継続か

また、GoogleクラウドはFTX破綻前の昨年11月、ブロックチェーン・ノード・エンジン(BNE)でソラナ(SOL)のサポートを発表。ソラナチェーンのバリデータとしてネットワークへ参加したことを明かした。

関連:グーグルクラウド、ソラナのノード運用代行サービスを導入へ

アルトコイン相場

先行き不透明感の払拭には程遠いものの、売り超過にあったアルト相場も復活の兆しを見せる。時価総額2位のイーサリアム(ETH)は前週比6.7%高と堅調に推移した。

イーサリアム(ETH)コア開発チームは、The Merge(ザ・マージ)後の最初のアップグレード「Shanghai(上海)」の公開テストネットについて、ローンチ目標を2月上旬に設定した。メインネットの稼働目標は3月中だ。

上海を経て、ETH2.0のビーコンチェーン上にステーキングされたETHが引き出し可能になる見込み。

関連:イーサリアム「Shanghai」公開テストネット、2月実施か

イーサリアムレイヤー2ロールアップのArbitrumおよびOptimismは、過去数ヶ月間の取引量が増加傾向にある。

ブロックチェーン分析プラットフォームNansenによると、昨年8月にNitroがアップグレードされて以来、Arbitrumのトランザクション数は着実に増加している。

Nansen

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今回の特別ゲストは、Web3(分散型ウェブ)大手企業アニモカ・ブランズの会長を務めるYat Siu氏と、Darewise EntertainmentのBenjamine Charbit氏が参加。Web3ゲーム・NFTの今の課題やDarewiseの自社タイトル第一弾「Life Beyond(ライフ・ビヨンド)」、そして業界の展望について語っている。

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