Sui開発のMysten Labs、FTX取得の資産を125億円で買い戻す契約で合意

株とトークン予約券を買い戻し

2022年に破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは、ディエム(旧リブラ)系L1ブロックチェーン「Sui」の開発を主導するMysten Labsと、資産の買い戻し契約で合意したことがわかった。

22日付の裁判書類によると、Mysten Labsに出資する際にFTXの関連企業FTX Venturesらが受け取った優先株とSUIトークンのワラント(予約券)を、Mysten Labsが買い戻す。FTXは、この契約は債務者の資産や債権者にとって、現時点で最善な手段であるとの結論に至ったと説明した。

Suiとは

処理能力の高さが特徴のL1ブロックチェーン。メタ(旧フェイスブック)が開発を主導していた仮想通貨プロジェクト「ディエム」の出身者がMysten Labsを創設しており、Suiとディエムには共通点がある。なお、Suiはまだメインネットをローンチしていない。

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Mysten Labsは昨年9月、シリーズBラウンドで合計3億ドル(当時のレートで約430億円)の資金を調達したことを発表。他にも出資者はいたが、この時の資金調達を主導したがFTX Venturesだった。裁判所の書類では、FTX Venturesが優先株やワラントを取得したのは8月だったと説明している。

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8月にはFTX Venturesを含めたFTXの関連企業が合計で、1億ドル超(約133億円)を出資し、Mysten Labsの優先株とワラントを取得。なお、ワラントを発行したのは「Sui Foundation」である。

今回の買い戻し契約は、今月16日にMysten LabsからFTX側に提案した模様。その提案の内容が、出資によってFTX Venturesが取得したMysten Labsの優先株とワラントを、Mysten Labsが合計9,600万ドル(約125億円)の現金で買い戻すという内容だった。具体的には9,500万ドルが優先株に、100万ドルがワラントに割り当てられる。

なお、今回の契約を遂行するには裁判所の許可が必要。その間にもFTXは、さらに好条件の取引を第三者と行えないか検討するという。FTXはできるだけ資産を増やし、債権者への返済に充てたい考えだ。

破産手続きを継続

FTXは昨年11月に破綻した後、John J. Ray III新CEOを中心にして破産手続きを進めている。これまでも債権者への返済に充てることなどを目的に、資産の確保を継続してきた。

今月6日には、FTXの姉妹企業で投資会社のAlameda Researchが代表で、仮想通貨運用会社グレースケールと関係者を告訴したことを発表。グレースケールが提供するビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の投資信託で、運用に問題があったと主張している。

Alamedaらの債務者は、両投資信託の全購入者に対して90億ドル(当時のレートで約1.2兆円)超を支払うよう求めており、この支払いによって、債務者の顧客や債権者への返済に、2億5,000万ドル(同約339億円)超を充てることができると説明した。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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