押し目買い確認のビットコイン37000ドル台回復、関係者が語るSOLやMATIC好調の背景は?

マクロ経済と金融市場

前週末17日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比1.8ドル高、ナスダック指数は11.8ポイント(0.08%)高と横ばいで取引を終えた。

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仮想通貨市況

アルトコインを中心に調整も見られた暗号資産(仮想通貨)市場は週末にかけて反発。ビットコイン価格は前日比1.9%高の1BTC=37,253ドルとなった。

BTC/USD週足

ビットコイン(BTC)など暗号資産は先週、過熱感の反動からデリバティブ(金融派生商品)市場におけるロングポジションの大規模ロスカットで一時急落する場面もあったが、結果的に週足は長い下髭陽線でクローズし、押し目買い圧力を確認した格好に。

ビットコインETF(上場投資信託)や半減期の材料待ちのタイミングで現物BTCを手放す動機は薄く、FOMO(Fear of Missing Out)気味の市場心理によって下値が拾われやすくなっている可能性はありそうだ。

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早くも37,000ドル台を回復するなど現時点での調整局面入りを否定したが、ここのところ乱高下しておりレンジ上限をブレイクできなければレンジ下限の底割れリスクも考えられる。

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反発の背景としては、先物市場のロスカットなど日柄調整が進み需給面が改善したほか、最大手資産運用会社ブラックロックなどが申請中の「ビットコイン現物ETF(上場投資信託)」の早期承認期待は一旦剥落しつつも、思惑自体が再び高まったことなどが挙げられる。

bitcoinsistが報じたところによれば、ブルームバーグのETFアナリストであるEric Balchunas氏は、米SEC(証券取引委員会)が今週ビットコイン現物ETFの申請フォームについて会合の場を持ち、現物取引方式(In-Kind Method)ではなく現金生成方式(Cash Generation Method)を使用するよう要請したことを明かした。

これは承認に向けた兆候の一つを示唆するという。

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アルトコイン市場

週明けにかけてのビットコイン上昇を受け、週末にかけて大幅反落していた主要アルトも軒並み反発した。

ラージキャップ銘柄では、XRPに次ぐ時価総額6位のソラナ(SOL)が前日比6.5%高、12位のチェーンリンク(LINK)が10.8%高、14位のポリゴン(MATIC)が3.8%高となった。

Helius LabsのMert Mumtaz CEOは、X(旧Twitter)で、ソラナの性能について比較した。

Helius Labsは、ネットワーク上における開発者のスケーラブルなソリューション構築を支援する、Solanaネットワーク上のRPCプロバイダーだ。RPCプロバイダーtは、クライアントとサーバー間の通信を容易にするためのシステムおよびサービスのこと。

Mert Mumtaz氏によれば、過去1週間のデータでは、イーサリアムが12TPS(秒間トランザクション処理速度)に対し、ソラナは約60倍の700TPSを超えた。トランザクションのファイナリティ(最終確定)速度はより大きな差があり、イーサリアムの約15分と比較してSOLは約2250倍高速の約0.4秒を達成したという。

また、平均取引手数料(Gas代)についてもイーサリアムより遥かに低いと主張した。

分散化水準については大規模に普及するイーサリアム(ETH)に軍配が上がり、ソラナのノード数3,000に対しイーサリアムは8,000だと言及した一方、ノード数が一定の閾値を超えた場合の影響については「分散化とパフォーマンスおよびアクセシビリティのバランスの重要性」を挙げ、効果は限定的と主張した。

ただし、Mert Mumtaz氏の立場上ポジトークが含まれることは留意したい。

なお、投資ファンドAsymmetricの創業者であるJoe McCann氏は、ソラナのDeFi(分散型金融)について、毎日10以上のスマートコントラクトを利用するヘビーユーザー数は年初来最高に達したと指摘した。これは、アクティブなDeFiアドレス全体の1.15%に相当するという。

アクティブなDeFiインタラクションの観点では、イーサリアムの11.5倍、オプティミズムの6.88倍、オプティミズムの16.4倍に達するとした。

22年11月の大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTX破綻の影響もあり、暴落していたソラナ(SOL)価格は、過去数週間では主要アルトの高騰をリードするなどV字回復を見せてきた。前月比106%高、年初来では393%高に及ぶ。

米投資運用会社ARK Investのキャシー・ウッドCEOは、CNBCの金融経済・ビジネス専門チャンネルである「Squawk Box」のインタビューに出演した際、ソラナ(SOL)にも言及。主要なスマートコントラクトおよび分散型金融ネットワークとしてのイーサリアムの地位を認める一方で、高速かつコスト効率に優れているという面でソラナの重要性が増大していることを指摘した。

ブロックチェーンにおけるインフラストラクチャーの役割の重要性を強調し、Web3およびデジタル資産関連の開発におけるソラナの潜在的な役割についても強調している。

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ポリゴン(MATIC)のオンチェーンデータも好調な推移を辿る。

共同創設者のSandeep Nailwal氏によれば、ポリゴン(MATIC)のPoSは、過去最高値となる日間1640万件のトランザクションを記録したと指摘した。

また、イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションであるPolygon zkEVMの預入総額を示すTVLは過去1週間で12%増となり、1億700万ドルに達した。(Polygon zkEVMの詳細やメリットは、下記の記事参照)

詳細:ポリゴン、来月に「Polygon zkEVM」のメインネットのベータ版をローンチへ

その一方、トランザクション急増に伴い負荷が拡大。取引手数料(Gas代)が桁外れに跳ね上がった。これに伴いブロック報酬は合計155,000MATICを上回り、バリデーターの日間収益は約120万ドルに達したという。

PolygonScanエクスプローラーによると、MATICの取引量は16日時点で21年6月の過去最高値を更新する970万txを記録した。背景には、ビットコイン(BTC)のオーディナルに触発される形で開発されたとみられる“PRC-20”規格のトークン(POLS)が発行・流通し始めたことなどが挙げられる。

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