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投資家関心継続のビットコインオーディナルとその競合、BTCエコシステムの近況は?

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Ordinalsの取引量が急増

暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物ETF(上場投資信託)への期待が高まり、BTC価格は今年の最高値を更新した。この動きはビットコインエコシステムの活性化につながっている。

特に、BTC上のトークンプロトコルであるOrdinals(オーディナル)は、11月12日にNFT(デジタルアーティファクツ)の刻印/発行数が505,000個に達し、1日の最高記録を更新した。

出典:@dataalways(DUNE)

さらに、Ordinalsをベースにしたトークン規格「BRC-20」の取引数も急増している。11月13日には、BTCネットワーク活動の39.5%を占めた。

出典:@cryptokoryo
(DUNE)

Ordinalsは特に強気のファンダメンタルズが出てきている。10月24日には、プロトコル・アップデートを受け、バージョンv0.10.0がリリースされ、バッチ登録、メタデータの追加、登録番号エンドポイントなどの機能改善が施された。

さらに、BRC-20市場トップの「Ordinals(ORDI)」は、11月7日にバイナンスに上場を果たし、1日で約100%の急騰、過去30日で592.6%増加している。ORDIの市場価値は現在約4.5億ドルで仮想通貨市場109位ながら24h出来高は3億ドルと高い。CoinbaseやUpbitなどの主要な海外取引所に未上場であり、さらなる上昇余地が期待されている。

関連:年内上場承認もあり得る?世界最大手ブラックロックの「ビットコインETF」が注目される理由

オーディナルとは

Ordinalsはビットコインブロックチェーン上に永続的なデジタルアセットを作成するプロトコル。ビットコインの最小単位であるサトシに一意の番号を割り当て、特定の情報(例えば画像や動画、テキストなど)を関連付けて追跡するシステムである。

各サトシにトークンデータを関連付けるプロセスは「刻印(Inscription)」と呼ばれる。Bitcoin Coreの元貢献者Casey Rodarmor氏(@rodarmor)によって設計され、2023年1月に導入されて以来、通算の刻印(Inscription)は4000万回以上(11月15日時点)に達している。

一方、BRC-20は、匿名のオンチェーンデータ開発者Domo(@domodata)によって2023年3月8日に発表されたビットコイン用の「トークン規格」である。このメカニズムはOrdinalsと同じフレームワークを使用し、テキストデータを組み込むものだ。

BRC-20トークンの発行は2023年3月に始まると急成長。1日に300,000個以上のトークンが刻印されることも珍しくない。

BRC20トップ通貨 出典:CoinGecko

ORDI以外にも、NALS、UTXO、ELONなどのトークンが登場し、市場での資産価値が10倍から100倍に急騰している。特に注目されているのはSATSであり、過去1か月間で価格が約10倍に増加した。SATSはBitget、Kucoin、Gateなどの取引所で取引されており、市場価値は3億米ドル近く、11月14日の出来高は1000万ドルに達している。

関連:BRC-20とは?ビットコインのトークン規格がもたらす可能性と課題

今後の展望:BRC-100がDeFiアプリへの道を拓く

BRC-20の開発者@domodataが設立したLayer 1 Foundationは、10月25日にBRC-100の概要をリリースした。BRC-100はOrdinals向けのDeFiアプリ技術であり、ビットコインのレイヤー1に新しいアプリケーションの可能性を開いている。これにより、DeFiやGameFiなどの分野において、ビットコインを利用した新しい形のアプリケーションが実現可能になるだろう。

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Ordinalsのライバルプロトコルが登場

BTCトークンプロトコル一覧 出典:@DefiHaitani

Ordinalsに対抗して、Atomics、PIPEなどの複数の新しいネイティブプロトコルが誕生し、BTCエコシステムはさらに拡大しつつあるようだ。

2023年9月17日に、BTCにNFTやトークン規格「ARC-20」を導入するAtomicsプロトコルが発表された。Atomicsプロトコルは、比較的完成度の高いモジュールと機能を備えており、わずか1か月余りで数万個のトークンが作成された。

特にATOMトークン(Cosmosとは無関係)は、ARC-20トークンとして初めて登場し、Atomicsプロトコルの代表的なトークン。供給量は2,100万個で、ATOMの価格は1.55ドルに達し、市場価値は約3,000万ドルに上昇している。

一方、PIPEはビットコインネイティブの別のトークンプロトコルで、そのエコシステムの最初のトークンは「PIPE」。このプロトコルは、Ordinalsの創設者であるCasey Rodarmorによって提案されたRUNESプロトコルに基づいている。

PIPEはRUNESに先だってローンチされ、フェアローンチの原則に従って多くのコミュニティ支持者を獲得した。PIPEの市場価値は約2100万ドルで、ORDIに比べて時価総額が低いことから、ソーシャルメディアではATOMと併せて強気の支持者が見受けられる。

新しいプロトコルの登場により、ビットコインのエコシステムは多様化し、競争が激化している。ただし、各プロトコルが成功するためには、技術的な安定性、実際のユースケース、市場での受け入れが必要となるだろう。

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