はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

年内上場承認もあり得る?世界最大手ブラックロックの「ビットコインETF」が注目される理由

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブラックロックが仕掛けるビットコインETF

ビットコインETFの承認の可能性が高まっている現在、投資家たちはこの新しい機会に注目しています。特に、米大手資産運用会社ブラックロックがビットコインETFの申請を行ったことは、市場に大きな波紋を投じました。

同社の申請の最終的な承認判断期限は2024年1〜3月との見込みですが、アナリストは2023年以内の承認もあり得るとの見解も飛び交う状況です。

この記事では、ブラックロックのビットコインETF申請に焦点を当て、その意義と、ビットコインETFが注目されている理由を探ります。

目次

  1. ブラックロックのビットコインETF申請
    ・注目される理由は?
  2. 世界最大級の資産運用会社ブラックロックの概要
  3. ブラックロックのビットコインETF申請の特徴
    ・監視共有契約等の取り決めが業界標準に
  4. iシェアーズETFに国内から投資する方法

1.ブラックロックのビットコインETF申請

2023年6月15日、ブラックロックが、ビットコインETFの申請を米国証券取引委員会(SEC)に提出しました。このETFは「iシェアーズ・ビットコイントラスト(IBTC)」と命名され、ビットコイン市場に新たな動きをもたらす可能性があります。

ブラックロックの提案は、実際のビットコインを裏付けとする「現物ビットコインETF」であり、これが承認されれば、米国株式市場で直接ビットコインに投資することが可能になります。

注目される理由は?

ブラックロックは、その高い承認率で注目されています。2023年6月時点で、同社は575件のETF申請を行い、1件を除いて全てSECからの承認を得ました。この印象的な承認率は、ブラックロックの徹底した準備とSECとの密接な事前交渉によるものでしょう。

また、10月に提出した修正提案でブラックロックが示した「シード」の動きは、市場における流動性の確保というETFの基本的な要素を強調しています。これは、初期投資活動における資金調達のプロセスを指し、ブラックロックによる上場承認に向けた前のめりな動きとして市場参加者に受け取められています。

SECは2021年10月15日に「ビットコイン先物」ETFを承認しましたが、「現物ビットコイン」ETFは未だ承認されていません。ブラックロックの申請が成功すればビットコインの新たな歴史の始まりを意味します。

2.世界最大級の資産運用会社ブラックロックの概要

ブラックロックは、1988年にニューヨークで8人のパートナーによって設立された資産運用会社です。2023年9月末の時点で、運用資産残高は9.1兆米ドル(約1,358兆円)に達し、世界最大級の資産運用会社としてその名を馳せています。

1999年にはニューヨーク証券取引所に上場を果たしたブラックロック。上場時の運用資産残高は約1,650億ドルでしたが、それから順調に規模を拡大し、2004年には3,420億ドルにまで増加を見せます。

特に重要な契機となったのが2009年に行われたバークレイズ社のグローバルインベスターズ部門(BGI)の買収です。ブラックロックは急成長中だった同部門を約135億米ドルで買収し、「iシェアーズ(iShares)」を含むETF事業を獲得。これが、ブラックロックの規模と影響力を世界規模に拡大させる選択となりました。

現在、同社のETFブランド「iシェアーズ(iShares)」は、ETF市場におけるシェア31.5%を占め、世界最大のシェアを誇ります。ブラックロックが提供する1,000本以上のETFは、ETF純資産残高で業界首位の3兆810億米ドル*3 を誇っています。

iシェアーズの品揃えは株式や債券などの伝統資産にとどまらず、コモディティやREITなどの非伝統資産もカバーしており、各資産クラスにおいても地域別、セクター別など多様なセグメントの商品を提供しており、商品ラインナップを拡充し続けています。

出所:Thinking Ahead Institute, “The world’s largest 500 asset managers”(2022年10月)、グローバルの運用資産残高ベース 出典:ブラックロック

ブラックロック・グループが運用するETF(上場投資信託)ブランド、「iシェアーズ(iShares)ETF」はETFの代名詞となり、世界のETF市場における「iシェアーズETF」のシェアは、31.5%*2と世界最大となっています。

*2 出所:BLACKROCK GLOBAL ETP Landscape(2023年3月)*3 ETF (Exchange Traded Fund)のほか、 ETN (Exchange Traded Note)、ETC (Exchange Traded Commodity)、ETI (Exchange Traded Instrument)等の上場金融商品を含む。

3.ブラックロックのビットコインETF申請の特徴

ブラックロックが申請中の現物ビットコインETF「iシェアーズ・ビットコイントラスト(IBTC)」は、運用資産のカストディアン(信託財産管理者)はコインベース・カストディ・トラストが務め、顧客のビットコイン売買注文を執行するプライムブローカーはカストディアンの関連会社が務める予定です。取引所としては第三者市場とプライムブローカー自身の執行場が使用されます。

ビットコイン現物ETFがこれまで承認されてこなかった理由の一つに、米国内で規制されたビットコイン取引市場の不在があります。しかし、ブラックロックが最近公表した改訂版申請書には、公正価格監視の強化策が盛り込まれており、これは市場の透明性と安全性を高めるための重要なステップと見られます。

監視共有契約等の取り決めが業界標準に

特筆すべきは、ブラックロックのビットコインETFが持つ独自の構造です。SECとの交渉を反映したと考えられるこの構造には、裏付け資産を取引するプラットフォームとの「監視共有契約」が含まれており、ウォッシュトレーディングに代表される市場操縦のリスクを軽減するための重要な設計です。

さらに、ブラックロックのビットコインETF申請には、SECとの交渉を反映したと推測される、独自の構造上の特徴があります。例えば、同社は裏付け資産を取引するプラットフォームと「監視共有契約」の締結を提案しています。この契約は、市場操縦の可能性がある行為、例えばウォッシュトレーディングなどを検出することを目的とします。

また、ブラックロックは、ビットコイン固有の技術的な問題にも先駆けて取り組んでおり、ハードフォークやマイニングに関する電気コストなどの問題に対するガイドラインを導入しています。これらの取り組みは、他の企業にも影響を与え、業界全体の方向性を定めるものとなっています。

これらの情報は、bitFlyerの執行役員である金光碧氏が指摘した内容に基づき、CoinPostが公開資料から確認したものです。

4.iシェアーズETFに国内から投資する方法

ブラックロックのETF、特に「iシェアーズ・ビットコイントラスト(IBTC)」への投資は、日本の投資家にとっても大きな関心事です。ブラックロックの公式サイトによると、2023年3月時点で日本における届出銘柄数は102本に上りますが、日本の法令に基づく届出がなされていない銘柄は、国内の証券会社で取引することができません。

IBTCが米国で承認された後、日本で取引可能になる時期は不明確ですが、米国株やETFへの投資そのものは日本の投資家にとってもアクセスしやすくなっています。新たに承認されたETFは、既存の米国株式と同様に取引可能となり、投資の選択肢を広げることが期待されます。

米国株・ETF購入で推奨されるネット証券

日本の投資家は、国内の証券会社を通じて米国株に投資することができます。例えば、SBI証券では約5400の米国株式を取り扱っており、大型株から中小型株、IPOまで多岐にわたる選択肢を提供しています。また、iシェアーズのETFを含む米国上場ETFの取扱いもあります。

米国株式やETFを取引するためには、通常の証券総合口座に加えて「外国株式取引口座」の開設が必要です。この口座開設は、証券会社のウェブサイトや店頭で手続きを行うことができ、ネット証券を利用していればオンラインで簡単に開設できます。

投資を始めるにあたって、SBI証券のような大手証券会社を利用することを推奨します。これらの証券会社は、幅広い米国株式やETFを提供しており、投資家が多様な投資戦略を実行するためのサポートを提供しています。

海外ETFへの投資は、国際的な投資機会を求める日本の投資家にとって魅力的な選択肢です。IBTCのような新しいETFが市場に登場すると、それに伴い新たな投資の機会が生まれ、投資家はより広い視野で資産を運用することが可能になります。

ビットコイン投資の始め方はこちらをチェック

様々な仮想通貨を購入したい方は、取引所別の取り扱い銘柄を確認してみてください。

ビットコインETF特集

CoinPost ビットコインETF特集

ビットコインETFの仕組み、基本から徹底解説 ブラックロックが仕掛けるビットコインETF、投資家必見のポイント
ビットコインETF上場承認後のBTC価格はどう変わる? 米投資会社の資金流入予測 ビットコインETF、専門家が語る期待の背景と業界への影響
ビットコイン VS ゴールド、デジタル資産の新たな魅力とETF承認が実現した場合の影響を探る 米国ETFと米国株、日本からのアクセス方法と基礎知識
CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/18 火曜日
17:00
仮想通貨投資で世界との情報格差解消へ AI多言語プラットフォーム「CoinPost Terminal」アルファ版ローンチ
国内最大のWeb3メディアCoinPostは、ビットコインなど仮想通貨市場における世界との情報格差の解消を目指すAI活用プラットフォーム「CoinPost Terminal」α版を公開した。海外の投資関連情報をリアルタイムで収集・翻訳・要約し、「CP-Selected List」と呼ばれる信頼性の高いソースから情報を一元提供する。
13:45
ソラナ5周年 実績振り返りと今後の展望
ローンチから5周年を迎えたソラナの実績と歩みを振り返る。大型支援者FTXの崩壊で、一時は存続の危機に瀕したソラナの復活の要因や、今後の展望について詳説した。
13:15
仮想通貨スイ(SUI)のETF申請 カナリー・キャピタルが米国で提出
カナリー・キャピタルが仮想通貨スイ(SUI)を対象としたETFを米SECに申請した。SUIのETF申請は米国で初めて。
13:15
メタプラネットがビットコイン追加購入の資金を調達、20億円社債発行へ
メタプラネットは新たに総額20億円の社債を発行。EVO FUNDを割当先とし調達資金はビットコイン購入に充当予定だ。償還期日は2025年9月17日でゼロクーポン債としての特徴を持つ。
12:52
ゴールド(金)価格3000ドル突破の背景
金価格が初めて1オンス3000ドルを突破した。トランプ政権の関税政策による貿易戦争懸念とインフレリスクが主な要因と分析される。金価格のターゲットを上方修正するアナリストも。
09:40
OKX、「ラザルス」対策でDEXアグリゲーターを一時停止
仮想通貨取引所OKXは、北朝鮮ハッカー集団「ラザルス」の悪用防止策として「OKX Web3」DEXアグリゲーターを一時停止した。Bybitハッカーのマネロンに使われたという疑惑は否定した。
08:46
CZ氏関連の投資会社、Plumeに戦略投資 価格が高騰
YZi Labs(旧Binance Labs)が実物資産のオンチェーン化を推進するPlume Networkに出資。Plumeは180以上のプロトコルと提携して3月までにメインネット立ち上げを予定している。
08:15
ビットコイン、米株連動で約50万円上昇も冬入りに警戒|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で約50万円超の上昇となった。17日に発表された2月の米小売売上高が市場予想を大幅に下回ることはなく、米国経済の景気後退懸念が後退したことが背景にある。
07:30
韓国中銀「ビットコインの準備金保有は議論も検討もしていない」
韓国の中央銀行は、仮想通貨ビットコインを外貨準備金として保有しない意向であることがわかった。その理由を説明し、米トランプ政権とは対照的な姿勢を示している。
07:05
リップル社、「Ripple Custody」商標申請で仮想通貨カストディ事業を拡大へ
リップル社が新たに「Ripple Custody」の商標を申請し、仮想通貨カストディ分野への進出を強化。2024年10月のカストディサービス開始に続き、ウォレット開発の可能性も示唆される。
06:45
北朝鮮、ビットコイン保有量がブータン・エルサルバドル超え 国家支援ハッキングで
北朝鮮のハッカー集団ラザルスが1700億円相当のビットコインを保有していることが判明。バイビット流出後の仮想通貨ETHからビットコイン交換が主な要因となっている。
06:25
CMEでソラナ先物取引開始、13件の現物ETF申請の承認可能性高まる
シカゴ・マーカンタイル取引所で仮想通貨ソラナ先物取引が開始。時価総額6位の仮想通貨の成熟を示す重要な一歩となり、13件の現物ETF申請の承認可能性が高まる。
06:10
スタンダードチャータード、イーサリアム価格予測を1万ドルから4000ドルに下方修正 L2の台頭が主因
スタンダードチャータード銀行が仮想通貨イーサリアムの2025年価格予測を大幅下方修正。一方、将来的には7,500ドルまで回復する可能性も。
05:45
ストラテジー社、130BTCのビットコイン買い増し 
米ストラテジー社は17日、仮想通貨ビットコインを130 BTC買い増ししたことを公表した。現在最大210億ドルの資金調達を目指している。
03/17 月曜日
16:00
Cocoroとは?ドージコイン系譜×かぼすママ公認の背景と買い方
本記事では、かぼすママ「公認」とされているBaseチェーン上のCocoroについて、トークンの概要や特徴、買い方を中心に解説します。 目次 Cocoro(COCORO)概要 か…

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧