Web3ゲームの4分の3が失敗に=CoinGeckoレポート
Web3ゲームの多くが活動継続せず
暗号資産(仮想通貨)データサイトCoinGeckoは29日、過去5年間でGameFiプロジェクトのうち4分の3が失敗に終わっているとのレポートを発表した。
5年間で2,817ものWeb3ゲームが立ち上げられたが、2,127が失敗しており、これは75.5%の確率だとしている。
方法論としては、2018年から2023年にリリースされた2,817のWeb3ゲームを調査し、2023年11月時点の分析データに基づいて、活動がみられなくなったゲームの数を特定したものだ。
この場合、アクティブユーザー数の14日移動平均がピーク時から99%以上減少している場合に、活動が停止したと判断している。
GameFiとは
DeFiの分野の一つで、ゲームをプレイすることでお金を稼ぐことが出来る「Play-to-Earn」を特徴とするプロジェクト・ゲームなどを指す。ブロックチェーン技術などを基盤にする。
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2018年から現在まで
CoinGeckoは、2018年から各年のデータも提示している。
まず2017年後半にDapper Labsがリリースしたゲーム「CryptoKitties」が大ヒットとなった後、GameFiに脚光を浴びた。その結果、2018年には422のWeb3ゲームがリリースされ、307がその後、先に引用したCoinGeckoの基準で失敗とみなされている。
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その後、2019年から2020年に弱気市場が訪れ、GameFiの開発や関心は低下。この2年間でリリースされたWeb3ゲームの数も244件のみとなる。同時に失敗率も上昇し、2019年には94.3%、2020年には94.2%に達した。
一方で続く2021年には、仮想通貨の強気相場の影響で、Web3ゲームの失敗率も45.9%という最低水準を記録。ローンチされたゲーム数は前年の86から738に急増しており、それに伴い失敗したゲーム数も前年の81から339に増えた。しかし、失敗割合では大幅に下がった形だ。
2022年には活動がみられなくなったWeb3ゲームの数は2倍以上に増加し、742に達した。失敗率も107.1%という最高値に達している。
そして今年2023年は、現在までに509のWeb3ゲームが不活動となっている。これは、今年ローンチされたゲームの70.7%に相当。CoinGeckoは、失敗率の低下は、Web3ゲームの状態が安定していることを示す可能性があると推測している。
2022年7月時点で、元ゴールドマン・サックスのアナリストGrant Haseley氏は、仮想通貨市場停滞でも、ベンチャーキャピタル(VC)はGameFi分野への投資を強化していると話していたところだ。
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スクエニのNFTゲーム
最近の動きとしては、国内大手ゲーム企業スクウェア・エニックスが、NFT(非代替性トークン)ゲーム「SYMBIOGENESIS」を開発中で、24日には第一章のキャラクター販売と、ゲームの開始スケジュールに関する詳細を公開した。ゲーム開始は、12月21日に予定されている。
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