Web3ゲーム創業者が海外メディアに語る
長引く相場低迷から「仮想通貨の冬(“crypto winter”)」と揶揄されることもある中、ベンチャーキャピタル(VC)はGameFi(NFTゲーム)分野への投資を強めている。
海外メディアBlockWorksが、「Undead Blocks」創設者であり元ゴールドマン・サックスのアナリストであるGrant Haseley氏に実施したインタビューからその傾向が明らかになった。
同氏によれば、DeFi分野などは厳しい状況に陥ったが、NFTゲーム領域は異なる状況にあると説明する。大手VCアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)をはじめ、Immutableがファンドの立ち上げなどを進めているとして、次のように語っている。
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a16zは最近766億円(6億ドル)、Immutableは670億円(5億ドル)のファンドを立ち上げ、ゲーム開発会社に報酬を支払っている。
弱気相場の中で人々は気晴らしを求めており、ゲームならそれが可能だ。収入を得るための新たな方法として、Play to Earn(遊んで稼ぐ)ゲームは、次の軸となり得る。
Haseley氏が言及したImmutable社のゲームファンドは、同社のブロックチェーンImmutable Xで開発されるNFT・ブロックチェーンゲームプロジェクトに投資すること目的としており、「ベンチャーズ部門」と「助成金部門」を展開する。条件を満たしたプロジェクトにトークン経済やゲームデザインのアドバイザーやIMXトークンでの支援を提供するファンドだ。
a16zのファンドは今年5月に設立が公表され、すでにSF系RPGゲーム「Project Arcanas」の資金調達を主導したことが明らかになっている。
参入や資金調達が続くゲーム分野
Haseley氏が語るように、ブロックチェーンゲーム領域は最近、他のブロックチェーン活用プロジェクトと比較すると堅調さが報じられている分野だ。
ソラナ(SOL)ブロックチェーンを基盤とするゲーム開発企業Uncaged Studiosは14日、33億円(2,400万ドル)相当を、シリーズAの資金調達ラウンドで調達したことを発表。Web3ゲーム「Tatsumeeko」は10億円を6月に調達している。
各分野からの参入も活発で、中東クウェートに拠点を構える銀行Warba Bankも7月初頭メタバース(仮想現実)ゲーム領域への参入を公表したことが明らかになった。
日本の有名企業も参入や出資を進めており、日本発ゲーム特化型ブロックチェーンプロジェクト「Oasys」にはバンダイナムコ研究所や、株式会社bitFlyer Blockchainがすでに参画。DMM.comも子会社を通して出資したことを明かしている。
また、情報サイトDappRadarは22年Q2のレポートで6月に市場がピークに達していたことを報告。このレポートには、同期間にベンチャーキャピタルが総額3,400億円(25億ドル)を出資していたことが記載されており、Haseley氏の発言を裏付ける内容となっている。
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