ブロックチェーンゲーム領域の強さが際立つ
dapps(分散型アプリ)関連の情報サイトDappRadarは12日、22年Q2(4月〜6月)のブロックチェーンゲーム・NFT(非代替性トークン)領域に関するレポートを発表。
ブロックチェーンゲーム市場では、最近の弱気相場の影響は限定的と報告した。
今回のレポートはBlockchain Game Alliance(BGA)共同で作成された。DappRadarは18年に設立。Dappsに関する正確な情報を世界中の読者に提供し、業界の信頼できるソースとなることを目標としている。
過去数か月間、暗号資産(仮想通貨)市場は厳しい状況が続いている。ビットコイン(BTC)の価格は約2万ドル以下にまで下落し、ヘッジファンドのThree Arrows Capitalや、融資企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)は破産を申請。米ドルに紐づけられたステーブルコインUSTはディペッグを起こし、関連銘柄テラ(LUNA)は価格が99%暴落した。
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レポートによると、そのような環境下でもブロックチェーンゲーム領域は、今年6月に市場としてのピークを迎えていたという。22年Q2にベンチャーキャピタルが同領域に行った投資の総額は約3,400億円(25億ドル)。21年の年間投資額(40億ドル)の半分以上が、Q2だけで投資された形だ。
dAppsとは
「Decentralized Applications」の略で、日本語では「分散型アプリケーション」と呼ばれる。中央集権的な管理者がいないことが大きな特徴。最も普及しているのがイーサリアムのブロックチェーンで、ゲームや分散型取引所(DEX)などのアプリが開発されている。
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同サイトのグラフからは、DeFiに関連するユニークアクティブウォレット(UAW)の数が、21年Q4以降大きく減少している一方、ゲーム分野のUAWの減り具合は比較的緩やかなことが確認できる。Dapp Radarは、現在の勢いで出資が続いた場合、投資ボリュームは年末に120億ドル規模に達すると説明している。
Q2で最も遊ばれたのは「Splinterlands」
Q2に最も遊ばれたブロックチェーンゲームは「Splinterlands」でUAW数は1日あたり平均283,729だった。
本作はNFTを活用したカードゲームで高い戦略性と、1バトル数分で終わるテンポの良さが特徴。一方、これまでPlay To Earn(遊んで稼ぐ)ゲームとして人気だった「Axie infinity」はQ1比で40%のユーザーを失った。Ronin bridgeの大規模なハッキング被害や、独自トークンSLPの下落が原因とされる。
また、NFT市場自体の売り上げはQ1比較で29%減だったものの、ゲーム関連NFTは昨年比で19%の売り上げ増を見せた。
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現在、アクティブ状態のデジタルウォレットの過半数(約52%=約110万個)は、ブロックチェーンゲーム領域で使用されている。Q1と比較売ると、アクティビティ全体に占める割合は7%減少したが、21年Q2と比較した場合、232%の増加率となっている。
なお、ゲーム領域で最も使用されているブロックチェーンはWAXで、平均UAWは393,933だった。第2位はHiveで、平均UAW数は283,934だった。