米SEC登録企業Prometheum、最初のカストディサービス提供銘柄はイーサリアム 証券性判断を促す可能性があるとの報道も

カストディサービス開始へ

米暗号資産(仮想通貨)投資サービス企業Prometheumは7日、子会社のPrometheum Capitalが最初はイーサリアム(ETH)のカストディサービスを提供することを発表した。

すでにヘッジファンドや銀行など機関投資家の登録手続きを受け付けていると説明。2024年1Q(1月から3月)にはカストディサービスの提供を開始する予定で、今後は取り扱う銘柄を増やしていくとしている。

カストディとは

投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。

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Prometheumは「ウォール街2.0」という言葉を掲げ、米証券取引委員会(SEC)に登録された「デジタル資産証券」のエコシステムを投資家に提供しようと取り組んでいる。

Prometheum Capitalは昨年5月、デジタル資産証券のための特別目的ブローカーディーラー(SPBD)として金融取引業規制機構(FINRA:自主規制機関)から業界で初の認可を取得したと発表。この認可によってカストディサービスを提供できるようになっていた。また同社はSECにも登録済みだ。

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今後については2024年内に、個人投資家と機関投資家に取引や清算のサービス提供を開始していく計画だと説明。そして、全ての投資家が参加しやすいプラットフォームを構築していくとした。

Prometheumの共同最高経営責任者アーロン・カプラン氏は、今回の発表で以下のようにコメントしている。

イーサリアムから開始する今回のカストディサービスは、米証券法が定める厳格な規制基準やコンプライアンス基準を満たしている。

我々の確固たるコンプライアンスへの取り組みと投資家保護は、今回の重要な節目を推進しており、ブロックチェーン基盤の市場インフラの新たなパラダイム確立に向けた大きな進歩を意味している。

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イーサリアムを選択

今回のカストディサービスで注目を集めているのが、SECに登録している同社がイーサリアムを選択したこと。SECはビットコインは有価証券に該当しないと述べているが、イーサリアムについては明確な判断は下していない。

また、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は以前、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)プロトコルを基盤とする仮想通貨は、全て証券である可能性が高いとの考えを示したこともある。イーサリアムは過去のアップグレードでPoSへ移行した。

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一部の海外メディアは、Prometheum Capitalがイーサリアムを選んだことで、イーサリアムが有価証券に該当するかの明確な判断をSECに促すことになるのではないかと報じている。

ゲンスラー委員長は過去に、仮想通貨の多くの仲介企業(取引所等)は証券法に準拠する必要があるとも主張していた。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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