CoinPostで今最も読まれています

米SEC委員長が12日に公聴会で議会証言、「仮想通貨の大半は有価証券の可能性」と再度主張へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の有価証券性

米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長は、現地時間12日の公聴会で、暗号資産(仮想通貨)の大部分は有価証券に該当する可能性が高いと再度主張することがわかった。

公聴会を行う米上院銀行住宅都市委員会が、事前にゲンスラー氏の議会証言を公開。最近SECは仮想通貨に関する訴訟で苦戦をしているとの見方があるが、改めて、仮想通貨の多くの仲介企業(取引所等業者)は証券法に準拠する必要があると主張するようだ。

SECとは

「Securities and Exchange Commission」の略。株や債券など証券の取引を監督する米政府機関のこと。SECのミッションは「投資家を保護すること」「公正で秩序のある効率的な市場を維持すること」「資本形成を促進すること」である。

▶️仮想通貨用語集

関連「米SEC長官に限らない?世界の当局が対応する暗号資産取引所規制」|WebXレポート

今回の公聴会は、仮想通貨に特化したものではない。テーマは「SECの監督」であり、株式市場やAI(人工知能)などにもゲンスラー氏は言及している。

ゲンスラー氏は議会証言の中で「仮想通貨」という項目を作成。そして、「仮想通貨証券市場」は証券法の保護を十分に受けられていないと指摘した。また、議会は投資契約という言葉を有価証券の定義に含めており、大部分の仮想通貨は投資契約の要件を満たす可能性が高いと主張している。

その上で、仮想通貨の取引所やブローカーらの仲介者は証券法適用の対象となり、登録や義務の免除などの要件を満たす必要が出てくると説明。現在の仮想通貨市場では証券法が遵守されておらず、多くの問題が起きても驚くことではないとした。

他にもSECは「これまでルール作りを通して仮想通貨証券市場に対応してきた」とも主張。その事例として今年4月に、従来の証券取引所に対する規則をDeFi(分散型金融)にも適用できることを明確化する提案を議決し、パブリックコメントを求めたことを挙げている。

関連米SEC、DeFiに証券取引所の規則を適用する提案を議決

ゲンスラー氏は、SECは実際にこれまで多くの訴訟を行ない、投資家保護にも取り組んできたと主張。一方、公聴会では継続中の裁判についてはコメントすることはできないと事前に明記した。SECは現在、コインベースやバイナンス、リップル社らの大手企業とも係争中だ。

関連バイナンスとコインベースのSEC訴訟|仮想通貨規制の現状と業界の反応を整理

関連米SECが提訴した「リップル裁判」まとめ(20年12月〜23年7月)

米国への影響

ゲンスラー氏は「ルール作りを通して仮想通貨証券市場に対応してきた」と主張しているが、仮想通貨業界からは「SECの取り組みは執行措置を介した規制である」と批判する声が多く上がっている。つまり、有価証券に該当するかの基準などを事前に明確に示していないという批判だ。

SECと係争中のコインベースは11日、ゲンスラー委員長が議会証言を行うことを受け、SECの執行措置を介した規制が以下の内容にどのように影響を与えているかについて、レポートを公開した。

  • 世界の金融のリーダーとしての米国の地位
  • 米国の雇用
  • イノベーション

例えばコインベースは、SECの規制は、世界における米国のリーダーシップを弱体化していると主張。そして、仮想通貨経済圏の可能性を理解している国の例を挙げている。

その中には日本も含まれており、コインベースは「日本は首相が経済政策にWeb3を含めており、成長やイノベーションを促進して社会問題の解決に取り組んでいる」と評価した。

関連日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)、IEOの仮想通貨上場に売却制限など導入検討=報道

また、レポートでは他にも、SECの規制は不明確であるとした上で、その影響で2030年までに400万人の雇用がリスクにさらされるとも主張。米国外でのWeb3の開発が増えることによって、100万人の開発者、300万人の非開発者が仕事を失う可能性があると試算している。

そして、過去5年間では実際に、世界のWeb3開発における米国のシェアが40%から29%に減少したとも指摘した。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア