文章から緻密な動画を自動作成──OpenAIが新ツール「Sora」を発表
動画作成ツールを発表
生成AI(人工知能)の「ChatGPT」を開発するOpenAIは16日、文章から動画を自動で作成するツール「Sora」を発表した。
現在はまだ誤情報やヘイトコンテンツ、偏見などの専門家と協業中で、同社のプロダクトとしてリリースする前に安全性の確認を行なっていると説明。また、ビジュアル・アーティストらに使ってもらって品質向上のためにフィードバックをもらっているとも述べている。
ChatGPTとは
ユーザーの質問に対し、人間との会話感覚で回答を得られるように設計された対話型のAI言語モデル。コンテンツ制作、レポートの作成、ソフトウェアコードの設計など用途は多岐に渡る。
▶️仮想通貨用語集
Soraが作成した動画の一例が以下。雪が降った東京を複数の人々が歩いているなどの文章をプロンプト(指示)としてSoraに伝え、作成された動画だ。
作成できる動画の長さは最大60秒。細かい情景描写や複雑なカメラの動きを実現したり、複数の人物を登場させたりできるという。
一方でまだSoraの開発は途上であると述べている。例えば、人がクッキーを一口食べたシーンの後で、クッキーに食べられた跡が残っていないことが起こりうると説明。原因と結果を理解できない可能性があることに加え、複雑なシーンの物理的特性を正確にシミュレーションすることが困難であるといった課題もあるとした。
OpenAIはこれまでChatGPT以外に、画像生成ツールの「DALL·E 3」もリリースしている。
関連:ソラナのChatGPTプラグイン、OpenAI公式ストアにて承認
AIと仮想通貨
Soraが暗号資産(仮想通貨)に直接関係しているわけではないが、AIと仮想通貨は関係性が高まっている。
仮想通貨の価格データなどを提供する「CoinGecko」はAI関連銘柄のカテゴリを作成。このカテゴリでは本記事執筆時点でAI関連銘柄の時価総額が前日比6.3%上昇していることや、「Bittensor(TAO)」という銘柄が前日比9.9%上昇してトレンドとなっていることなどを掲載している。
関連:仮想通貨アルトコイン強気サイクル突入へ、次の投資先を示す7大テーマ
先月末には、イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が仮想通貨とAIが交差する領域として4つの可能性を分析し、そのユースケースとリスクについて解説した。
その際、「表面的な雰囲気レベル」における仮想通貨とAIの相乗効果として以下の点を挙げている。
- 仮想通貨の分散化がAIの中央集権化とのバランスをとる
- 仮想通貨が不透明なAIに透明性をもたらす
- AIはデータを必要としているが、ブロックチェーンはデータの保存と追跡に適している
関連:仮想通貨とAI(人工知能)の有益な交差点とは? ブテリン氏が4つの事例を解説
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します