ファイルコイン(FIL)とは
FIL(ファイルコイン)は「人の最も重要な情報を保存」することを目的とした分散型ストレージネットワーク。2020年10月15日に発行を開始した。クラウドストレージとの大きな違いはデータが保存される場所。データセンター内の特定の場所にデータが保存されるのではなく、地理的に分散しているノードへの保存データで構成されている。ノード提供者は保有するデバイスの空きストレージを提供することで報酬を獲得することができる。
コンセンサスアルゴリズムはファイルが指定のストレージスペースに存在していることの証明(Proof of Replication)とそのデータが指定の期間、継続的に保持されていたことの署名(Proof of Spacetime)の2つを含めてプルーフ・オブ・スペース(Proof of Space)と呼ばれる。
国内では、GMOコインがファイルコイン(FIL)を取り扱っています。
価格
- 現在価格(2024年12月23日時点):4.823ドル(約760円)
- 年初来高値(2024年3月):11.85ドル(約1,900円)
- 年初来騰落率(YTD):-13.23%
- 過去最高値(2021年3月):237.7ドル(約37,200円)
価格予測
21年4月:仮想通貨ファイルコイン(FIL)が時価総額TOP10入り、年初来+800%の上昇要因は
時価総額|関連銘柄
ファイルコイン(FIL)の時価総額は2024年12月時点で約30億ドル、「インフラストラクチャー」セクターの中では4位に位置する。同セクターで1位のチェーンリンク(LINK)の時価総額は約140億ドル。2位のインターネットコンピューター(ICP)の時価総額は約50億ドル。FIL以降は、ファントム(FTM):約27億ドルが追従する。
主な出来事
- 2019年12月:米CFTC、イーサリアム先物を承認
- 2021年4月:仮想通貨ファイルコイン(FIL)が時価総額TOP10入り、年初来+800%の上昇要因は
- 2023年3月:分散型ストレージ「Filecoin」、イーサリアム互換の仮想マシンをローンチ
- 2024年2月:分散型ストレージ「Filecoin」がソラナと提携
エコシステム支援組織
ファイルコイン財団: ファイルコインの運営を主導する非営利組織。主に、助成金の提供やイベントの開催をしており、エコシステムとコミュニティの成長をサポートしている。今後も分散型テクノロジーに関連する研究開発プロジェクトに資金を提供し、データ保護の分散化を目指す。
Protocol Labs: オープンソースの開発・研究を行うラボでファイルコインの開発を主導している。2014年に設立され、現在に至るまで分散型ネットワークに関する様々な分野「Filecoin、IPFS(分散型ファイルストレージ)、libp2p(ライブラリ)」の研究開発に資金提供をしている。
FFDW(Filecoin Foundation for the Decentralized Web): オープンソース・オープンプロトコル開発を実行する非営利組織。コミュニティメンバーには著名な市民権活動家のレイニー・ライトマン氏が参加している。
トークンアロケーション
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ファイルコインの最大供給量は20億トークンで配分はこのようになる。
- ストレージマイニング 55%: 最初期のマイナーグループであり、ブロックチェーンの維持を担当。
- マイニングリザーブ 15%: 将来的なマイナーへのインセンティブを保証。DAO内の改善提案を通じてどの様に配分されるかコミュニティの動向による。
- Protocol Labs 15%(PLチームメンバーと貢献者含む): ファイルコインの開発を主導するグループ。
- トークン販売 7.5%: 2017年のSAFT(将来発行されるトークンを割安価格で販売する資金調達方法)で販売。
- ファイルコイン財団 5%: ファイルコインの運営を主導する非営利組織。
- その他: 2.5%
CoinMarketCapによるとファイルコインの総供給量は19.5億トークン、循環供給量は6億トークンとなっている。
国内では、GMOコインがファイルコイン(FIL)を取り扱っています。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年12月時点、ファイルコインのTVLは、約7,700万ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- GLIF(約1.8億ドル):リキッドステーキング。FILを入金して報酬を獲得できる。他にも、ストレージプロバイダー(ストレージ提供者)はFILを借りることが可能。
- Parasail(約7,200万ドル):リステーキング。保有するトークンをDePIN(分散型物理インフラネットワーク)サービスに預け入れることで報酬を獲得できる。ステーキングする際はファイルコインなどのプロトコルに委任する。
- STFIL(約3,000万ドル):リキッドステーキング。ロックアップ期間無しで収益を確保、ストレージ提供者がレバレッジファーミングの担保にできる。
- 資金調達総額:約2.1億ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2017年8月、5,200万ドルの私募トークンセール)
- 価格:0.75ドル
- ROI:7.16x +616.2%
- フォロー投資家:Sequoia Capital、Y Combinator、Digital Currency Group(DCG)、Union Square Ventures、Winklevoss Capital
ファイルコインの将来性
ロードマップ
ファイルコイン財団は2025年のビジョンや戦略について公式ブログで発表している。
2025年のファイルコインのエコシステムにおける最大の目標はファイルコインをシームレスに機能させ、市場との適合性を見つけることを目指している。この目標のために以下、7項目の達成を目指している。
- 使用されるネットワークストレージを1日あたり5PIB(ペビバイト、テラに続くデータ量を表す単位)増加させる。
- オンチェーン取引の75%を期限切れ前に更新する。
- 取引数の増加、全四半期で25%の増加を目指す。
- ステークホルダーの意見を反映した既出の問題点の半分以上を解決する。
- 資金の少なくとも25%を既存のプロジェクトに割り当てる。
- 最低でも12以上の新規パートナーシップを獲得し各コラボ毎にメディアの掲載を獲得。
- オンチェーンアクティビティを四半期毎に25%増加させる。
期待される今後の動向
分散型ストレージ機能の採用増加
ファイルコインとソラナは、2024年2月17日に戦略的提携を発表し、分散型ストレージ市場に新たな動きをもたらした。この提携でファイルコインの分散型ストレージ機能がソラナネットワークのデータストレージに活用され、拡張性やセキュリティの向上、スケーラビリティの強化が期待されている。
ソラナとの提携はファイルコインの分散型ストレージ機能の採用が増加するきっかけとなる可能性がある。今後、ファイルコインの分散型ストレージ機能の採用例が増加するとエコシステム拡大、価格の向上が期待される。
投資リスク
米証券取引委員会(米SEC)が2023年に暗号資産(仮想通貨)運用会社のグレースケールがファイルコインの投資信託の登録申請を行なっている中、SECに登録申請を取り下げるよう要請された。これにより、米SECがファイルコインを有価証券とみなしたことが明らかになった。この件に関連して一時ファイルコインの価格が約3%下落している。今後の規制動向によって、価格が左右される可能性がある。
国内では、GMOコインがファイルコイン(FIL)を取り扱っています。