はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

分散型物理インフラ「DePIN」として再注目されるプロジェクト3選

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

発展するDePINプラットフォーム

2024年のトレンドの1つに、DePIN(ディーピン)が挙げられます。

DePINとはDecentralized Physical Infrastructure Networksの略称で、分散型物理インフラネットワークを指します。これはトークンエコノミーを活用した、インフラの構築と運営を効率的に調整するシステムです。

2024年のP2P(ピアツーピア)インフラストラクチャのトップ10トレンドの1つとして、Messariを含む多くの暗号資産(仮想通貨)分析企業が、DePINを挙げています。

本記事では、ソラナ以外にも目を向けて、現在注目されている主なDePINプロジェクト概要、それぞれの背景知識やトークンインセンティブなどについて解説していきます。

関連:ソラナで拡大する分散型インフラ「DePIN」、2024年注目のプロジェクトを深掘り

Pocket Network

現在、インターネットの約55%がアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)とマイクロソフト・アジュールで稼働しています。

このような中央集権型サービス・プロバイダーへの過度の依存を避けるため、ポケットネットワーク(POKT)のような分散型クラウドの重要性が高まっています。

ポケットネットワークは、ブロックチェーン間のデータ通信とAPIリクエストを分散化します。

具体的には、アプリケーション開発者が複数のブロックチェーンネットワークからデータを取得する際の中央集権的なAPIプロバイダーに頼る必要性を排除し、代わりに分散型のノードネットワークを通じてデータをリレーすることを可能にします。

イーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)、ソラナ、アバランチ(AVAX)など、幅広いブロックチェーンをサポートし、dAppsと基盤となるブロックチェーンインフラストラクチャ間のシームレスな統合と相互作用を促進します。

このシステムでは、ノード運営者はデータリレーの提供によってネイティブトークンであるPOKTを報酬として受け取ります。これにより、分散型アプリケーション(DApps)がブロックチェーンデータへのアクセスを効率的かつ経済的に実現し、ブロックチェーンエコシステム全体のスケーラビリティと相互運用性を向上させることを目指しています​。ゲートウェイ(ユーザーがブロックチェーンのデータを利用するためのアクセスポイント)は現在、NodiesとGroveを通じて運用されています。

加えて、ポケットネットワークは、DAO(分散型自律組織)によって運営されており、アプリケーション開発者やノードオペレーターなどのユーザーがプロトコルの改善、経済政策、エコシステム開発に関する意思決定を行います。このプロセスは、提案の提示と投票メカニズムを通じて実施されます。

ポケットネットワークは、フィデリティ系のAvon Ventures、Placeholder Capital、Druid Venturesから790万ドルの資金を確保しています。

Filecoin

ファイルコイン(FIL)は、分散型ストレージネットワークを提供します。

データの保存と取得を分散化し、データの保管をインセンティブ化することで、より安全で効率的なデータストレージソリューションを目指しています。 ユーザーはFilecoinネットワーク上で余剰なストレージ容量を提供することによって、ファイルコイントークン(FIL)を報酬として獲得できます。

ファイルコインの基盤となる技術には、IPFS(InterPlanetary File System)があります。 IPFSは、ファイルの分散型共有と保存を可能にするプロトコルです。Filecoinはこの技術を活用し、効率的なデータ保存と取得のメカニズムを構築しています。

また、ファイルコインはプルーフ・オブ・レプリケーション(PoRep)とプルーフ・オブ・スペースタイム(PoSt)という2つの革新的なアルゴリズムを用いて、データの保存と検証を行います。

ファイルコインの資金調達は、2017年のICO(Initial Coin Offering)で大きな注目を集め、当時としては史上最大規模の2億ドル以上を調達しました。 ファイルコインの主要な投資家には、Sequoia Capital、a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)、Union Square Venturesなどの著名なベンチャーキャピタルが含まれます。

2月17日にファイルコインとソラナの統合が発表されました。ソラナはファイルコインを利用して、インフラストラクチャープロバイダー、エクスプローラー、インデクサー、そして履歴へのアクセスを必要とするすべての人にとって、よりアクセスしやすく使いやすいものにします。

そして、ファイルコインの分散型ストレージ機能と強化されたセキュリティにより、ソラナ上のデータのスケーラビリティが強化されます。

関連:ビットメイン、ファイルコイン(FIL)向けのマイニングマシン発売

ATOR Protocol

ATORネットワーク(ATOR)は、The Onion Routing(Tor)を使用してユーザーの匿名性を確保します。

このプロセスでは、グローバルに分散されたハードウェア製品「リレー」を介してトラフィックをルーティングし、全ての参加者のIPアドレスをマスクすることにより、層状の暗号化を行います。ネットワークのガバナンスは分散化されており、中央集権的なディレクトリ権限ではなく、ブロックチェーンに記録される可能性のある分散型ディレクトリ権限によって行われます。

出典:ATOR

この低消費電力ユニット「リレー」を使用する付加的な利点は、アクセスポイント・ルーターとしても機能することで、複数のユーザーにエンドツーエンドの暗号化されたプライベートなインターネット体験へのゲートウェイを提供し、同時に所有者はATORトークンを獲得することができます。

VPN市場の規模は、今後10年間で大幅に成長すると予測されており、独自の製品を提供するには有利な市場だと期待されています。

ATORのトークンインセンティブシステムは、オンチェーンの「Proof of Uptime」プロトコルを使用して、リレーオペレーターの貢献を認識し、ATORトークンを配布することで構成されています。

トークンの配布は、イーサリアムブロックチェーン上に保管されたトークンに裏打ちされ、Arweave(データの永久的かつ分散型の保存を目的としたLayer 1のデータストレージプロトコル)上で分散されます。ATORは、イーサリアムと Arweave ブロックチェーンの両方を利用する、独自のデュアル ブロックチェーン アーキテクチャを採用しています。

また、ATORのコアチームには、様々な専門分野から集まった専門家が含まれています。チームメンバーには、Anon Morpho氏(戦略家、活動家、創設者)、Christer Sørby氏(ATOR LabsのCEO、クリエイティブデザイナー)、Neuratic氏(COO、エンジニア、技術コミュニケーター)、Jim Toth氏(CTO、2017年からのETHマイナー、Arweaveビジョナリー)、Dr. Andrzej Tuchołka氏(リードアーキテクト、ソフトウェアエンジニアリング博士)らが名を連ねており、そのチームは「OG crypto connections」を持っているとされています。

※「OG crypto connections」は、暗号通貨やブロックチェーン業界における初期から活動している経験豊富な人物や団体、あるいはその業界における深いつながりや影響力ある関係を指します。”OG”は”Original Gangster”の略で、ここでは業界におけるパイオニアやベテランを意味しています。

技術パートナーとしてMove78、Forte Group、Hotspotty、Gold Hawksといった企業と協力しています。

関連:ソラナで拡大する分散型インフラ「DePIN」、2024年注目のプロジェクトを深掘り

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/31 水曜日
14:00
ブラックロックの2026年投資展望 AI投資が米株式市場を牽引、ステーブルコインは金融の架け橋に
ブラックロックの2026年投資展望レポートでは、AI関連投資が米国株式市場を牽引し、生産性向上で171兆円の経済効果が見込まれると分析した。また、38兆円規模に成長したステーブルコイン市場について決済システムへの統合が進み、トークン化された金融システムへの第一歩となると見ている。
12:00
2026年末のビットコイン価格はどうなる?有識者7人に予想を聞いた
ビットコイン2026年末価格予想を暗号資産(仮想通貨)業界の著名人7人が回答した。平均は12.3万ドルで約40%の上昇見込み。FRB政策、機関投資家参入、半減期アノマリー崩壊など注目ポイントを分析。強気派と慎重派の見解を比較し、相場の行方を占う。
11:00
仮想通貨TOP20と国内発トークン、25年の騰落率は
ドナルド・トランプ氏の米大統領就任やビットコインの最高値更新があった2025年。本記事では同年の時価総額上位銘柄と国内発プロジェクトのトークンの年間騰落率をまとめている。
10:00
激動の2025年 仮想通貨の時価総額トップ20、過去8年間における順位変動は
2025年はビットコインが12万ドルを突破した。仮想通貨に肯定的な米トランプ政権が始動した1年を終えるにあたり過去8年間において仮想通貨の時価総額の順位がどのように変動してきたかを振り返る。
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧