- マーシャル諸島、年内にデジタル法定通貨「ソブリン」発行予定
- 独自のデジタル法定通貨「ソブリン(SOV)」の発行を目指すマーシャル諸島はイスラエルの送金企業Neemaと提携して、年内に「世界で一番安全な貨幣システム」の発行を目指すことが判明した。
マーシャル諸島、年内の独自デジタル法定通貨発行を予定
独自のデジタル法定通貨の発行を目指すマーシャル諸島政府はイスラエルの送金企業Neemaと提携して2019年内のソブリン(SOV)のローンチを目指していることがイスラエルの地元メディアの報道で明らかになった。
通貨の発行は、年内を予定しており、仮想通貨市場の市況が戻り次第開始するという。
ソブリンとの名前から、このデジタル法定通貨は、ソブリン通貨になり得ることを前提に構想しているものであると見られている。
太平洋に浮かぶミニ国家の一つであるマーシャル諸島では法定通貨として米ドルが流通しているが、昨年から同国首相のHilda Heines氏はUSDと並んで活用される独自のソブリン(SOV)の発行を目指して、独自のデジタル法定通貨を認める法案を可決していが、Heines氏のソブリン発行計画は、IMFや米財務省からの資金洗浄やテロ資金給与対策における疑問点が課題となり、いまだ実現には至っていなかった。
Neema社のCEOであるBen Ezer氏は以下のように今回のプロジェクトについて語った。
ソブリンは年内の発行開始を計画している。
仮想通貨市場におけるポジティブな動きが見られたら発行できるよう、ソブリン(SOV)のICO開始に向けて日夜勤めている。
多くの報道では取り上げられていないが、ICOを実施することに言及したことには、政府関連のプロジェクトである点から大きな波紋を呼ぶことになりそうだ。
なお、IMFの資金洗浄に関する懸念に対して、Ezer氏はソブリンが完成すれば全てのSOV利用者が米商務省の外国資産管理局によって身元特定が可能となるため、「世界で一番安全な貨幣システムになる」と言及した。
なおソブリンの流通と利用が開始してもマーシャル諸島で米ドルの使用が停止するわけではなく、米ドルとSOVの両方の通貨が利用可能となる。
デジタル法定通貨に向けた各国の動き
ハイパーインフレが続くベネズエラでは、政府が独自の仮想通貨「ペトロ」を発行していた。苦しい経済状況と並び、米国からの経済制裁も独自の仮想通貨発行の要因となっており、同じくアメリカから経済制裁を受けているイランも金に裏付けられた独自の仮想通貨「Paymon」を発表している。
また先週、マーシャル諸島と類似したミニ国家から構成される東カリブ諸国機構の中央銀行が独自のデジタル法定通貨発行に向けパイロットテストを開始したことも公表されていた。
様々な要因からブロックチェーン技術が政府や中央銀行に採用され、デジタル版の法定通貨が発行されていく動きは必然的に仮想通貨の認知度向上につながるだろう。
引き続きマーシャル諸島や各国のデジタル法定通貨に関する動きが見逃せない。
本日の速報をチェック