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イーサリアムがビットコインをアウトパフォームする転換点、ストラテジーの32BTC売却を契機に=スタンダードチャータード分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ETH-BTC比率が年末までに0.028→0.040へ上昇と予想
  • ETHステーキング年利約3%がトレジャリー企業の優位性に

ETH優位の転換点か

スタンダードチャータード銀行のデジタル資産調査グローバル責任者ジェフリー・ケンドリック氏は、ビットコイントレジャリー企業最大手のストラテジー社による32BTCの売却を受け、「今週の月曜日をETHがBTCをアウトパフォームする起点とみている」と、6月2日付のクライアント向けノートで述べた。The Blockなどのメディアが報道した。

ストラテジー社は5月26日から31日にかけて、平均77,135ドルで32BTCを売却し、手取り約250万ドルを優先株の配当支払いに充てると米証券取引委員会(SEC)への8-K提出書類で明らかにした。

売却後の同社BTC保有残高は843,706BTCで、売却規模は保有総量の約0.0038%にとどまる。ただし、売却発表を受けてビットコイン価格は70,000ドルを割り込み、現在67,000ドル台まで落ち込んでいる。

ケンドリック氏は売却額の小ささを「笑えるほど小さい」としながらも、市場の反応に意味があるとした。

売却発表日、ETHは対BTC比で2024年初頭以降の「BTC下落日」のなかで最大級の上昇を記録し、その後もETHはBTCに対して約5%続伸した。同氏はETH-BTC比率の年末目標を現在の約0.028から0.040に設定しており、仮に両資産が同方向に動いても、ETHがBTCを40%超上回る計算になるという。

関連記事:ビットコイン急落、ストラテジー社のBTC売却で市場心理が悪化|仮想NISHI

*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(

ステーキング収益がもたらす構造的優位

ケンドリック氏は今回のストラテジー売却が、ビットコイン系とイーサリアム系のトレジャリー企業(DAT企業)における収益構造の違いを浮かびあがらせたと指摘。ETHは現在年利約3%のステーキング収益を生むため、ETH系トレジャリー企業には「保有資産を売却する必要はない」と述べた。

一例として、トム・リー氏が率いるビットマイン(BMNR)は無借金で100億ドル規模のETHポジションを構築し、自社のMAVANステーキングプラットフォームを通じて年間約2億5,800万ドルの収益を上げていると推定されており、今後は年間約3億ドルの報酬が見込まれるという。

これに対しストラテジー社をはじめとするビットコイン系トレジャリー企業は、BTCが収益を生まない構造上、費用や債務の弁済に際して保有資産の売却や資本市場での調達に頼らざるを得ない。

関連記事:ビットマイン、イーサリアム取得ペースが急減速

米イーサリアム・トレジャリー企業ビットマインが保有ETH総数541万6,901ETH(総供給量の4.49%)を達成したと発表。ただし直近1週間の取得量は26,497枚にとどまり、前週の111,942枚から大幅に減速した。

一方で、純資産価値倍率(mNAV)の面では、ビットマインやシャープリンクなどETH系主要企業のmNAVが直近でストラテジーのmNAVを下回っている。ただしケンドリック氏は、ステーキングによる定常的な収益が評価されることでETH系企業のmNAVが再びストラテジーを上回る方向に動くとみており、「ストラテジーが今週売却分の数倍のBTCを買い戻したとしても、この見方は変わらない」と語った。

なお、ケンドリック氏は先週のリポートでイーサリアムの現状を2001年のドットコムバブル崩壊時のアマゾンに重ねて分析しており、価格は低迷していてもオンチェーン指標は改善を続けていると論じ、ETHの長期価格目標として2026年末に4,000ドル、2030年末に40,000ドルという予測を維持している。

過去レポート:スタンダードチャータード銀、イーサリアムをドットコムバブル崩壊時のアマゾン株と比較

スタンダードチャータード銀行が仮想通貨イーサリアムの価格低迷はネットワーク内部指標の改善を反映していないと見解。2001年Amazon株との類似を指摘し、2026年末4千ドル・2030年末4万ドルの目標価格を維持。

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