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米地域銀行協会CEO、クラリティー法案でステーブルコイン利回りに「妥協なし」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 地域銀行の預金流出を懸念
  • クラリティー法などがゲームチェンジャーとなる可能性

地域へ融資する能力低下を懸念

全米独立系地域銀行協会(ICBA)のレベカ・ロメロ・レイニー社長兼CEOは、クラリティー法案について、ステーブルコインに対する利回り付与が懸念材料になっていると話した。また、この問題が同法案が支持を獲得するハードルにもなっているとしている。BANKING DIVEが27日に報じた。

レイニー氏は、次のようにコメントしている。

こうしたステーブルコインは単なる決済手段にとどまらないように見える。従来の預金制度を支えるインフラを伴わないにもかかわらず、預金と非常によく似た性質を帯び始めている。

クラリティー法案をめぐっては「双方が納得する形にできないか」という声も出ているというが、レイニー氏は「われわれとしては、この抜け穴を完全に閉じる必要がある」「解決策として妥協点は存在しない」と述べ、譲歩の余地がないとの姿勢を強調した。

ICBAによると、時間の経過とともに1兆3,000億ドル(約208兆円、1ドル=160円換算)が銀行預金からステーブルコインへと流出すると試算されており、地域への融資が8,500億ドル(約136兆円)減少する事態を招きかねないとも表明した。

また、コミュニティバンク(地域密着型銀行)は、地域の預金を受け入れ、それを融資という形で再び地域に還元していると指摘。ステーブルコインへと預金が流出することにより、地域へ融資する能力が低下してしまうと主張している。

暗号資産(仮想通貨)がコミュニティバンクの預金に代わって地域社会に資金を再供給するようになることを示す証拠もないと続けた。そうであれば、この問題の解決策を見出す必要があるとしている。

9月15日には上院本会議で、クラリティー法案の審議入り討論終結(クロージャー)の採決が行われる見通しだ。本採決に進むかどうかを決める手続きである。

レイニー氏は、現在の状況を見る限り、法案を可決させるだけの票数は確保できていないようだが、その大きな要因の一つは、地域銀行の預金流出懸念という問題への対応をめぐるものだと見解を述べた。

なお、現行の法案ではステーブルコインを単に預けておくことに対する報酬は禁止し、利回り付与はプラットフォーム上での様々な活動に応じたインセンティブなどに限定する方向で検討がなされている。しかし、銀行業界は、こうした条項に含まれる曖昧さによって、ステーブルコインが「事実上、預金の代替物として機能する」恐れがあると指摘しているところだ。

関連記事:ソラナ政策研究所CEO、クラリティー法案成立確率わずか10%と予想

ソラナ政策研究所CEOが、クラリティー法の中間選挙前の成立確率を10%程度とみている。上院は9月15日に採決入りの動議を検討しており、規制当局も独自の規制整備を進めている。

ホワイトハウスの試算に反論

ホワイトハウス大統領経済諮問委員会(CEA)は4月、ステーブルコインへの利回り付与が銀行の信用活動に与える影響をまとめたレポートを公開。ステーブルコインの利回りを完全に禁止した場合でも、増加する銀行融資額はわずか21億ドル(約0.02%増)であり、ほとんど影響はないとしていた。

関連記事:『預金流出論』をデータで反証 米ホワイトハウス、ステーブルコイン利回り禁止に否定的見解 

米ホワイトハウス大統領経済諮問委員会が8日にステーブルコインの利回り付与に関するレポートを公開。銀行業界が警告する大規模な預金流出リスクを否定し、利回り禁止措置が銀行融資の保護には事実上寄与しないとの定量分析を公表した。

これに対して今回レイニー氏は、クラリティー法案が実際に可決されれば、状況がどう変化するかは予測できないと反論している。現在、デジタル資産では投機的な活動や投資活動が行われているものの、送金や決済を目的としたシステムが進化していけば「ゲームチェンジャー」になり得るとしている。

さらに、米通貨監督庁(OCC)が仮想通貨企業に信託銀行免許を与えたり、米連邦準備制度理事会(FRB)が仮想通貨・フィンテック企業に簡易版の決済用マスターアカウントを与えようと検討する動きもあり、こうした規制緩和もあいまって、従来型銀行の預金流出が懸念されると続けた。

関連記事:ジーニアス法とクラリティー法案の違いとは?米国の仮想通貨2大法案をわかりやすく解説【2026年最新】

米国の暗号資産規制を担う「ジーニアス法(GENIUS Act)」と「クラリティー法案(CLARITY Act)」。ステーブルコイン発行者を規制する成立済みのジーニアス法と、SEC・CFTCの管轄を整理する審議中のクラリティー法案の違いを、比較表とともに初心者向けに解説します。

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