「投げ銭」から始まる!コンテンツとファンの新しい関係性の構築

こんにちは。ストラテジーグループの大島(@takuji0807)です。

以前よりアニメと資金調達の記事コンテンツ×ブロックチェーンについての記事を書いておりましたが、私は小学生のときに「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-」でアニメにハマって以来、ずっとアニメを見続けているオタクです。しかし昨今アニメ業界において諸々の課題が存在していることを各種メディアやSNS、SHIROBAKOなどで知り、心を痛めていました。また、ファンとしても課題めいたものを感じることもありました。

そんな中、Fintertechで新規事業を企画する立場となり「新しいお金の流れを創ることで、アニメ業界の役に立つことは出来ないだろうか」と考え、業界の方へのヒアリングや情報収集に取り組んでいました。

そして先日、弊社の(対外的なサービスとしては)ファーストプロダクトとなるクラウド型投げ銭サービス「nugget」の第一号案件をローンチすることが出来ました。

本プロダクトはアニメ作品とファンの新しい関係性を構築したいという想いを持って、私がイチから企画させて頂きました。今日はその「nugget」に込めた「想い」について書かせて頂きます。

※ここ最近DLT約定照合の記事で凄く反響を頂いていた中、ブロックチェーンど真ん中なネタではなく恐縮です…

1.アニメ業界の課題

以前書かせて頂いた記事の通りではあるのですが、昨今のアニメ業界は既存のビジネスモデルが限界を迎えつつあります。簡単に言えば、製作委員会方式に代わる資金調達方法、制作スタジオの収益力/経営力の向上が大きな課題として存在します。(詳細は以下の記事をご覧ください)

資金調達からファン作りまで!アニメ業界におけるFintech活用の事例と可能性
https://coinpost.jp/?post_type=column&p=102307

NetflixやAmazon Prime Videoなどサブスク系サービスなども期待されてはいますが、単一のプラットフォームに業界全体が依存することは危険であり、それらが救世主となって全ての課題を解決できるモノではないと考えます。

製作委員会方式に代わるビジネスモデル、言い換えれば新しい資金調達方式、そして新しいマーチャンダイジングの形がアニメ業界には求められています。資金調達面で言えばクラウドファンディングのように新しい資金調達が試されたり、マーチャンダイジングの側面では2.5次元と呼ばれるミュージカルやコンサートが盛んに行われていたりします。

このように『地殻変動』とも称される、業界構造の変革が起きようとしているのが今のアニメ業界と言えるでしょう。

2.ファンの課題

一方、オタクとしてはこんなことを課題として感じています。ちなみにこの課題の出発点は大島個人のものでしたが、数人のオタクの方々にインタビューした結果、同様の課題を感じていることが分かりました。

  • お金を払わないと業界が細っていくのは理解している
  • というかこんな良質なコンテンツをタダで楽しむのは申し訳ない、ちゃんとお金払いたい
  • だから、なるべく作り手に還元されるような形でお金を落としたい
  • でもモノとかはもういらない。置き場とか困るしなぁ
  • 簡単に、気軽にお金を使うことで、アニメを作る人たちを応援できないだろうか…!

要するに、

モノとか要らないので、どうぞ気持ち(おかね)をお納めください!

ということです。

どうでしょうか?割と同じように感じている人はいるのではないでしょうか。少なくとも私はそう思っています。

既存モデルにおいてメイン収益となるメディア販売、グッズ販売にはあまり魅力を感じず、ただ単純に作品にお金を納めたいと思うのですが、「お金を納める窓口が無い」という状況に課題を感じているわけです。

3.クラウド型投げ銭サービスというソリューション

というわけで、お金を納める窓口が無いなら作ってしまえばよいのでは?と立ち上げたのがこのクラウド型投げ銭サービス「nugget」です。投げ銭の決済基盤をSaaSでアニメの企画や制作会社様に提供する、といったモデルです。

「nugget」というサービスは、下記の実現を目指しています。

  • 新しく、より直接的なマーチャンダイジングの実現
  • アニメビジネスの収益性の向上
  • お金を払ってくれるファンの特定、コミュニティ作り
  • コンテンツのダイナミックプライシング

これらが実現すると何が嬉しいかと言うと、「アニメビジネスの持続可能性が高まる」ということです。冒頭で話した通り、アニメは既存のビジネスモデルが崩壊しつつあります。ビジネスモデルの崩壊が何を意味しているのかというと、「放っておくと日本のアニメが無くなっちゃうかもしれない」ということです。全く無くなる、ということはもしかしたら無いかもしれませんが、それでも我々オタクの好きな『ジャパニメーション』はその形を維持できないでしょう。

私は日本のアニメが失われてしまうことがとてつもなく嫌なのです。好きなものが無くなってしまうことは本当に悲しいことで、これまで人生において当たり前のように存在し、私の人生を彩ってくれたアニメはこれからも存在し続けてほしいのです。

私はナデシコの劇場版でアニメにハマってしまいました。そして攻殻機動隊を見て自らの進路をIT, Techに決めました。私の知識はその多くが「アニメがソース」だったりして、アニメのおかげで色んな友人とも出会えました。色んな好きなモノに出会えました。そんなアニメを、この先も何十年と愛し続けたいのです。

また、日本の経済的な損失にも繋がるでしょう。現状、世界で戦える産業は数少なく、その数少ない産業の一つが『ジャパニメーション』なわけです。世界中にファンがいて、愛される産業をみすみす失ってしまうのは本当に損失だと思うわけです。

「nugget」が特効薬となり、全てがオールオッケーとなるわけではありません。ただ、少なからず今「アニメにお金を落としたい」という、オタクが感じている課題の一部が解消され、業界が抱える課題の一端を解決できるのではないかと考えます。そして、そうであってほしいと願うのです。

4.アニメ以外の広がり

このクラウド型投げ銭サービスは「強いファン」のいる領域であれば、どこにでも適用可能であると考えています。例えば音楽、観劇、アイドル、コスプレ、漫画、書籍、etc…それぞれにいるファンはある程度共通した想いを持っているかと思うので、そういった領域にも拡大し、ファンが継続して「推しを応援できる環境」を作っていくための一助を担えたらとも思っています。

ちなみに私はマキシマム ザ ホルモンとBABYMETALの大ファンでもあるのですが、彼らのライブ後にTwitterなどで投げ銭ページとか見つけたら秒で投げ銭する自信があります。マジで。

5.ブロックチェーンとの親和性

ようやく出てきました(笑)。「ブロックチェーン」です。もう文脈でお分かりかと思いますが、このような投げ銭とブロックチェーンは非常に親和性が高い関係にあります。ただ、今なぜブロックチェーンを使わないかというと、やはりそのUXの悪さです。オタクの果たして何%が仮想通貨を持ち、何%がMetaMaskをインストールしているでしょうか。今回決済手段を法定通貨としたのは、ブロックチェーンおよび仮想通貨を使うにはまだ早いかなと判断したためです。

ただ、将来的には仮想通貨やコミュニティ通貨を用いた形にしていきたいとは考えています。その理由もいくつかあるのですが、それはまたの機会に。

一つ言えるのは、ブロックチェーンと相性がいいと考えられる領域で今からビジネスを作っておくということは、我々にとって非常に有用で大事なことと考えています。(もちろん、nuggetの恩恵を受ける業界の方々にとっても)

6.「nugget」のこれから

実は現状この「nugget」は社内ではPoCの位置づけだったりします。商業作品への投げ銭はその事例が殆ど無いため、どれだけビジネスとして成り立つかが読めなかったためです。

ですので、本取り組みの結果如何によっては事業化しないという判断が下る可能性もありますが、現状既に手ごたえは感じています。本格的に事業化し、アニメ業界およびファンの課題解決に少しでも貢献できるよう、粉骨砕身の思いで取り組んでいく所存でございます。

もし当プロダクトに興味をお持ち頂いた方などおりましたら、是非大島までDM頂くか、当社HPよりご連絡いただければ幸いです。

7.最後に

この日本初であるチャレンジングな取り組みは、一緒にやろうと言って下さった、作品とユーザーとの新しい繋がりを模索し続けるARCH様、およびご快諾頂いた、強く濃いファンを持つ原作者のよむ先生、そして『みるタイツ』の製作に係わった全ての方々のご協力なしには日の目を見ることは出来なかったと考えています。本当に、心より感謝しております。

このご恩はきちんとビジネスという形で返すことが正しいかと思いますので、しっかりとご恩を返せるよう、その可能性を模索し続けていこうと思います。今後とも、何卒よろしくお願い致します。

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