そのトンカツおいしい? (2/2) ~後編:変化を急ぐべき理由、そして数字~

今回の記事は、「SBI R3 Japan」が公開しているMediumから転載したものです。

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このエントリーはR3社の公式ブログ「Where’d you get that pork chop?」の邦訳、その後半です。

前半:フードサプライチェーン+Cordaはこちら。

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そのトンカツおいしい?その答えは人それぞれ違うかもしれません。でもおいしいかと同じくらい安全な肉かどうかも気にしたほうがいいかもしれません。

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変化を急ぐ理由

では、なぜ急いだほうが良いのでしょう?理由はいくつかありますが、特に業務プロセス上の要件や規制上の要件が増えていることが挙げられます。それから、消費習慣が変化しているという点も重要です。消費者の嗜好や購買習慣は変化しており、結果として世界的に食品需要が増加しています。
現在の食品サプライチェーンは、需要の変化に対応するように強く求められています。なぜそうなってしまったか。それは、食品の業務プロセスが、手作業に強く依存していることにあります。手作業の業務プロセスに依存する限り、安全でない食品の回収やリコールの取り組みに時間がかかることは歴史的に証明されており[3] 、多くの場合、大量の廃棄物を生み出してしまいます。また、食品規制も持続可能性に課題を生み出しています[4]。なぜなら、商品の一部で問題が発生した場合,食糧安全に関する法律は、その商品の(何らかの意味で)”ひとかたまり”全てを安全でないとみなすからです。[5] より詳細なトレーサビリティの確保によって、“ひとかたまり”全てを廃棄せずに利用することができるようになるかもしれません。こうした調査結果は、ブロックチェーンが世界の食品産業に与える潜在的な影響の大きさを浮き彫りにしていると言えるでしょう。

食の安全とリコール

2019年、米国では合計641件の食品リコールが記録されており、そのうち124件が食肉または鶏肉であり、リコール1件あたりの平均コストは760万ドルでした。全体では、このコストは業界に約48.7億ドルの無駄をもたらしています[6]。 これらのコストに加えて、食品マーケティング研究所( the Food Marketing Institute)と消費者ブランド協会(the Consumer Brands Association)による共同の業界調査では、ブランドの毀損や売上の損失を通じて、食品企業にとって大きな財務的影響があることが明らかになりました。ブロックチェーン主導のソリューションを使用することで、食品の安全性に関する問題の根本原因を探るためのコストを劇的に削減することができます。[7]

    このアプリを使うことで、商品追跡に必要な時間を6日から2.2秒に短縮することができるのです。

フードビジネスオペレーター (Food Business Operator FBO)

食品サプライチェーンはますます複雑化しており、各段階での無駄がFBOの重要な課題となっています[8]。 ブロックチェーンは、ヒューマンエラーを減らし、原産地規則の要件を瞬時にマッチングさせ、一般的な業務プロセスの効率性を向上させられるでしょう。

ブランドの透明性と持続可能性

ブロックチェーン上でサプライチェーンを統一することで、製品のトレーサビリティを保証し、ブランドの評判を向上させ、現代の消費者の信頼を得ることで競争上の優位性を確保することができるかもしれません。[9]

ブロックチェーンは始まりに過ぎません

ブロックチェーン技術は、グローバルな食品サプライチェーンの慣行を改善する大きな可能性を示しています。しかし、それは、その先に待ち受けているより革新的なデジタル化とプロセス変革の最初の一歩にすぎません。

より深く考えるために・・

食品製造とそのサプライチェーンにおける現在の慣行を変えられるだけの説得力のある事例だったと思います。FSAとアクセンチュアのプロジェクトから得られた知見は、ブロックチェーン技術が食品トレーサビリティを高度化する上で重要な役割を果たすであろうことを示しています。今後、規制当局や業界関係者を含むエコシステムの拡大は、食品業界と消費者にとって、より安全で、監査可能で、より持続可能な未来への道を開くことになるでしょう。

※本ブログは一般的な情報提供のみを目的としたものであり、読者の特定の状況を考慮したものではなく、最新の動向を反映していない場合があります。アクセンチュア、FSA、R3は、法律、規制、監査、税務に関するアドバイスを提供していません。読者の皆様は、ご自身の弁護士やその他の資格を有する専門家からのアドバイスを受ける責任があります。

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参考文献

[1] Food.gov.uk: Food We Trust
[2] Coin Telegraph: Prediction: 20 Percent of Leading Global Grocers to Use Blockchain by 2025
[3] Forbes.com: IBM & Walmart Launching Blockchain Food Safety Alliance In China With Fortune 500’s JD.com; The Converstation: How blockchain technology could transform the food industry
[4] [5] Food.gov.uk: Guidance on Food Traceability, Withdrawals and Recalls within the UK Food Industry
[6] Statista.com: How Safe Is U.S. Food?
[7] ResearchGate.com: Food Traceability on Blockchain: Walmart’s Pork and Mango Pilots with IBM
[8] Phys.org: Human error major driver of food waste
[9] Nielson.com: Total Consumer Report: December 2018

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(記事作成:SBI R3 Japan/YuIku)

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