仮想通貨テザー、1050億円相当のUSDTをチェーンスワップ 全供給量の約8%
テザー社がチェーンスワップを実行
仮想通貨(暗号資産)テザー(USDT)の全供給量の約8%に相当する10億USDT(1050億円相当)を、テザー社がトロンからイーサリアムのブロックチェーンに移行した。
テザー社はこれまでも度々USDTのブロックチェーンの移行(チェーンスワップ)を行っているが、具体的な理由は明かしていない。イーサリアム上で取引を行いたいユーザーや利用企業の需要の高まりを背景に判断を行なっているが、最近活況のDeFi市場の拡大がイーサリアムブロックチェーン移行に反映している可能性がある。
あくまでも、今回行われたのはチェーンスワップで新規発行ではないため、USDTの総供給量に変化は生じない。現在の供給量は130億USDT超で、イーサリアム上のUSDTは75億USDTから85億USDTに増加。トロン上では43億USDTから33億USDTに減少することになる。
テザー社の最高技術責任者(CTO)Paolo ArdoinoはTheBlockに対し、「今回の移行には、ある取引所が協力に応じてくれた」と説明。
ブロックチェーン上の大規模な動きを追跡するWhale AlertのUSDTの送金やバーン(焼却)の報告から、協力した取引所はバイナンスの可能性が高まっている。
USDTに関する最新動向では、イーサリアムにおけるスケーラビリティを向上させるためのセカンドレイヤーのソリューションの「OMGネットワーク」上でUSDTを稼働した。
テザー社は同ネットワークの採用で、トランザクションの承認時間および手数料が大幅に削減できると説明した。
関連:USDTがOMG Networkで稼働開始、ETHネットワークの手数料削減に
この採用を受け、現在テザーが稼働するブロックチェーンは、OMGネットワークのほか、イーサリアム、トロン、Algorand、EOS、Liquid Network、Omniの7種類となった。
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