国際決済銀行、各国中銀とデジタル通貨(CBDC)の概念実証を実施へ
中銀デジタル通貨のテスト実施へ
スイス国立銀行(SNB:中央銀行)と国際決済銀行(BIS)が、2020年末までに中銀デジタル通貨(CBDC)のテストを実施。続いて、香港金融管理局(HKMA)やタイ銀行などとの計画もあることが明らかになった。
個人や企業が利用する「リテール決済」に向けた概念実証を実施し、既存の決済システムとの統合やコンプライアンスの監視をどのように行うかを探る。BISのイノベーションハブのトップを務めるBenoit Coeure氏が計画を明かした。
SNBは昨年10月、BISらとパートナーシップを組み、ブロックチェーンを活用したホールセール決済(銀行や企業間の決済)向けのデジタル通貨の研究を行うことを発表してたが、今回はリテール決済(個人間決済)に用いるCBDCのテストを行う予定だ。
これまで、SNBはCBDC発行の目的は金融機関間の決済を円滑化することだとし、スイス政府も「CBDCを誰でも利用できるという環境は、現在のスイスにおいては新たなメリットがあまりない」としていたが、世界各国の状況を受け、新たな取り組みを行う。
BISについて
BISは「中央銀行の中央銀行」と称される組織で、スイスに本部がある。日銀によれば、2020年6月末時点で日本を含めた62か国・地域の中央銀行が加盟している。
今年6月には新型コロナウイルス感染拡大を受けて、CBDCの開発研究を推奨するレポートを発表している。コロナ禍で現在の決済手段の長所と短所が明確になったと説明した。
CBDCの導入については、民間の仲介業者間の公平な競争を促し、セキュリティとリスク管理に高い水準をもたらすことが可能だしており、中銀の研究や設計の取り組みを引き続き密接にサポートしていくと述べている。
今月に発表した、SNBや日銀、米連邦準備理事会(FRB)を含む7中銀とCBDCに関するレポートでは、CBDC発行の動機、政策への影響、機能や設計について概説した。
Coeure氏によれば今後、BISは香港金融管理局(HKMA)やタイ銀行などとCBDCで国際送金を行うテストも行う予定で、CBDCの研究により力を入れるという。
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