ベルギーの政府系ファンド、ブロックチェーン関連の投資参入へ

政府系ファンドが出資

ベルギーの政府系ファンドSRIWグループ(以下、SRIW )が、同国拠点のブロックチェーンのベンチャーキャピタル(VC)Tioga Capital(以下、Tioga)に出資した。同VCを通じて、ブロックチェーン関連事業への投資を強化する。

40億ドル(約4100億円)規模の資産を運用するSRIWは「ソブリン・ウエルス・ファンド(Sovereign Wealth Fund:SWF)」で、国家の資産を運用する組織。今回の出資はTiogaによる最初の資金調達で、1700万ドル(約17億円)が集まった。SRIWがいくら出資したかは明らかにされていない。

TiogaのMichiel Lescrauwaetマネージングディレクターは、CoinPostが提携する暗号資産(仮想通貨)メディアTheBlockに対し、SRIWの出資額は今回の資金調達の中でも最大規模だと説明している。今回の資金調達にはベルギーのファミリーオフィスらが参加した。

SRIWは今回、自らが管理する投資ファンド「W.IN.G (Wallonia Innovation and Growth) 」を通して出資を行なった。W.IN.Gは以前にもブロックチェーンのスタートアップに投資をしていて、フィンテック企業に主に出資を行っている。

W.IN.GのNicolas D’Haeneマネージングディレクターは「我々はブロックチェーンの起業家に理想的な機会を提供できると信じている」と主張。ブロックチェーンは多くの業界を変革できる可能性がある技術だと評価した。

欧州の課題

TiogaのLescrauwaet氏は、今年8月に事業を終了した仮想通貨ファンド「Adamant Capital」の共同設立者。今年設立したTiogaは主に欧州のブロックチェーンのスタートアップに投資することを事業目的にしている。

Lescrauwaet氏は「欧州にはスイスのツークやチューリッヒ、ドイツのベルリンやフランクフルト、英国のロンドンなどに約2千社のブロックチェーン関連のスタートアップがあるが、大きな課題がある」と指摘。米国のようにスタートアップを支援するベンチャーキャピタルのエコシステムが欧州にはないと述べ、同社の事業の意義を説明した。

Tiogaは2021年の終わりまでに、さらに3300万ドル(約34億円)の資金調達を予定する。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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