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瑞シグナム銀行、自社株式をブロックチェーンでトークン化──世界初の事例に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

スイスとシンガポールでトークン化株式を上場予定

スイスのシグナムバンク(Sygnum Bank)が、イーサリアムのブロックチェーンを使用して自社株式をトークン化したことがわかった。

シグナムバンクは、「分散型台帳上で株式を発行する世界初の銀行」になったとしており、このトークン化された株式を、スイスとシンガポールで上場させることを目指していると発表した。

トークン化によりデジタル版の株式が、関連する法的権利や義務とともに作成され、分散型台帳上で不変性を持つことになった。シグナムバンクは株式トークン化を「完全に規制された、非常に効率的な資本調達モデル」だとする。

一次市場と二次市場の取引を完全にデジタル化して管理できるようになる。また、株主名簿は増資や株式移転が発生するたびに自動的に更新されるようになり、株式譲渡書類を管理する必要性がなくなる。流動性を改善し、トランザクションに関与する当事者の関連コストを削減するのにも役立つという。

シグナムバンクの共同創業者・CEOのMathias Imbach氏は、次のように語る。

世界で初めて株式のトークン化を実現した銀行になれたことを嬉しく思う。これは、所有権等へのより直接的で効率的なアクセスを実現するという、当行のミッションを達成するための重要なマイルストーンだ。

トークン化により、株主との新しい関係性構築も試みる。例えばスマートコントラクト機能を活用して、長期的にトークンを保有する株主に対して、インセンティブとしてトークン化された小額株式を付与する仕組みを提供するなど、プログラブルな株式の仕組みを事例に挙げられた。

こうした特典として与えられる少額トークンは、各人のアカウントの連結財産報告書に、現金、仮想通貨、その他資産トークンなどと一緒に記載され、確認することができる。

完全に規制準拠したトークン化プラットフォーム

今回のデジタル株式発行は、シグナムバンクが11月にローンチしたトークン化プラットフォーム「Desygnate」をみずから利用するものとなった。Desygnateは、2021年2月から施行されるスイスの新しい分散型台帳(DLT)法に完全に準拠できるよう設計されている。

シグナムバンクはトークン化ソリューションとして、発行市場(一次市場)向けのプラットフォームDesygnateと流通市場(二次市場)向けのSygnExを開設している。

ベンチャーキャピタル、中型株、不動産、アートとコレクティブル(収集品)といった流動性アクセスが限られていた金融商品をトークン化し、ブロックチェーン上で取引を行えるようにするプラットフォームだ。

24時間即時決済が行われる、完全に規制準拠したプラットフォームで、カウンターパーティリスクも軽減されている。

SBIが関わる取引所にも上場検討

シグナムバンクは近い将来、このトークンによりスイスとシンガポールで株式公開を行う予定だ。スイスでは、SIXデジタル取引所(SDX)への上場を検討しており、シンガポールではSDXとSBIホールディングス株式会社(SBI)が2022年に開設を予定している取引所が念頭に置かれている。

SBIとSDXの合弁会社設立については最近発表されたもので、機関投資家向けのデジタル資産サービスとなる予定だ。

シンガポール金融管理局の承認を条件として、デジタル資産の取引所、発行プラットフォーム、カストディ、CSD(証券決済機関)の機能を提供する事業を開始する。

SBIの北尾吉孝社長は「デジタル資産の制度的普及に必要なグローバルインフラストラクチャを構築する上で重要なステップ」と述べ、「ヨーロッパとアジアの間に強力な機関投資家向け経路を確立する」と意欲を示した。

関連:SBIとSIX、シンガポールでデジタル資産プラットフォーム立ち上げ

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