ブロックチェーンで証券管理することが可能に
ドイツの内閣が、デジタル証券を導入する新たな法律を可決した。ロイターが報じた。
これまで証券に関する法律では、証券発行者と保有者に、紙の証明書で取引を文書化することを義務付けていたが、紙ベースの証明書のかわりに、中央証券保管機関や民間銀行が維持する登録簿を取引の証拠として使えるように変更。ブロックチェーン技術によって証券を管理することも可能にした。
報道によると、Olaf Scholz財務相は、「今まで使ってきた紙の証明書に親しみを持つ人もいるかもしれないが、これから先はデジタル版の時代だ」と述べ、デジタル化証券を今後促進していく姿勢を見せた。また、電子証券はコストや管理上の負担を削減するとも説明している。
Christine Lambrecht法務大臣は、法律は法的な明確さを提供し、新しいテクノロジーの可能性を引き出すとした。
この法律は、ドイツのブロックチェーン戦略の中核として8月に草案が発表されていたもの。法的枠組みをブロックチェーン技術に適応させることにより、金融・ビジネスの拠点としてドイツを強化し、透明性や金融市場の機能性を高めることに寄与するものとなる。
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ドイツでは暗号資産(仮想通貨)についても規制の明確化が進んでいる。2020年1月に新マネーロンダリング防止法が施行され、株式や債券などの金融商品と同様に、銀行が仮想通貨のカストディサービスを提供することが可能になった。
これにより、仮想通貨サービスの提供を検討する銀行も増えている。12月にはドイツの老舗銀行Hauck&Aufhäuserが、2021年初頭に仮想通貨ファンドを立ち上げることを発表した。
子会社のHauck&Aufhäuser Innovative Capital(HAIC)を立ち上げ、仮想通貨を対象としたファンドを提供。銘柄は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ステラ(XLM)を扱う。最低投資額は20万ユーロ(約2500万円)で、顧客は機関投資家を想定している。
同銀行のHolger Sepp取締役は「デジタル資産を扱う投資製品の需要が高まることが予測される」として需要に応えるサービスであると語った。
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一方で、ドイツのScholz財務大臣は11月の欧州銀行会議の席で「ヨーロッパの銀行システムのデジタル変革を後押しすることは不可欠だが、私的に発行される仮想通貨はこの対象としない」という意見を表明している。
EUは特にFacebook主導のステーブルコイン計画を念頭に置いて、仮想通貨に対する警戒を強めている側面もあり、「グローバルに流通するステーブルコイン」の金融安定性に対する影響を懸念し、9月に規制法案を発表した。
ステーブルコインの発行体には裏付け資産を準備金として保有することを求め、EUが承認した金融機関に預けることを義務付ける内容となっている。
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