ビットコイン先物プロバイダーのBakkt、NY証券取引所に上場へ
SPACと正式合意
インターコンチネンタル取引所(ICE)のデジタル資産関連子会社Bakktは11日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場に向けた契約が合意に達したことを発表した。
契約を結ぶのは「ブランク・チェック・カンパニー(SPAC)」のVPC Impact Acquisition Holdings(以下、VIH)。今回の上場における企業価値は21億ドル(約2200億円)と見られている。
BakktはICEが2018年にデジタル資産のマーケットプレイスとしてローンチしており、現在はビットコイン(BTC)の先物取引やオプション取引も提供。今回の上場については、先週ブルームバーグが報じていたものだ。
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SPACは日本語で「特別買収目的会社」と訳される。自らは事業を行わず、未公開企業や他社事業の合併・買収を目的とした企業を指し、米国では近年増加傾向にある。Bakktのプロセスは、新規株式公開(IPO)を申請するために昨年米証券取引委員会(SEC)に書類を提出した大手取引所コインベースとは異なる上場手段だ。
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VIHのJohn Martin CEOは今回の発表に際し、「我々の目的は、競争力で差別化ができ、新しいビジネスモデルでなければ成功しえない事業領域を持っていて、なおかつ高い成長が見込めるフィンテック企業を見つけることだ。Bakktはその条件を満たしている」とコメントを寄せた。
今回の合併はBakktとVIHの取締役会で満場一致で認められた。今後はVIHの株主や規制当局による認可等を経て、正式な合併は2021年Q2(4月〜6月)を予定している。統合後の社名は「Bakkt Holdings」になる。
アプリのローンチ
今回の発表では、Bakktが提供する消費者向けアプリの一般向けのローンチが2021年3月を予定していることも明かされた。
このアプリは現在では招待されたユーザーだけが利用できるようになっている。昨年には決済手段としてスターバックスのアプリに試験的に統合されたが、暗号資産(仮想通貨)だけでなく、旅行のマイルや報酬ポイント、ゲームデータなど幅広いデジタル資産の価値を解放することを目指している。
当初アプリのローンチは2020年を予定していたが、その後の進捗は明らかになっていなかった。一般向けのローンチがされていない現時点でも登録者数は40万人超いるという。
市場展望
SECのホームページでは、Bakktが事業を展開する市場の規模について、今後の展望が公開されている。
仮想通貨、ギフトカード、旅行のマイルと報酬ポイント、ゲーム内の資産に分類した市場規模を表したものが以下。2020年における市場規模の合計は最大1.6兆ドル(約166兆円)だが、2025年には最大5.1兆ドル(約531兆円)になると試算している。
仮想通貨に限って見ると、2020年12月14日時点の市場規模を表す時価総額は5640億ドル(約58兆円)だったとし、2025年にはギフトカード市場を抜いて、この価格は3兆ドル(約312兆円)に達すると予想した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します