先週の高騰アルトと次週の注目ポイント・データから見るビットコイン市場は?|CoinPost週次レポート
ビットコイン5万ドルの大台を突破
テスラのビットコイン購入報道で始まり、BNYメロン、など仮想通貨関連のビッグニュースが相次いだ波乱の1週間からバレンタインデーなどを挟み迎えた、2月第3週の仮想通貨市場。
16日にはビットコイン(BTC)は節目と見られていた5万ドルのラインを突破。その後も騰勢を強め、20日には55000ドル(約580万円)のラインを超え、再び過去最高値を更新した。
一方時価総額2位のイーサリアムも好調を続け、20日には米ドル建価格が2,000ドル(約21万円)に到達。過去最高値を再び更新し、年初来騰落率は、+168%と好調を維持している。
週始めは米国ではプレジデントデー、中国では週半ばの17日までが春節で祝日など、米国の株式市場では動きはなかった影響などで、15日には日経平均株価が30年6ヶ月ぶりに3万円台に復帰していた。
大手仮想通貨取引所BitfinexのCTO分析(寄稿:Paolo Ardoino)
世界最大の仮想通貨に対する楽観的な見方が拡がりつつある中、ビットコインは米ドル建で5万ドルを突破した。祝日で中国や米国の株式市場が休場していた為、注目が仮想通貨に傾いたか。
ビットコインは急速に主流化しているが、今後もデジタル・ゴールドとしての側面や、台頭しつつある新たな金融システムのベース・レイヤー(土台)の観点に対する注目は衰えそうにない。
ビットコインの時価総額が1兆ドルを超え、イーサリアムも高値圏を進んでいることから、大手投資ファンドや個人投資家ではFOMO(乗り遅れたくない心理)が発生しているか。
時価総額TOP20銘柄(前週比)
関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化
全体を通し堅調だった仮想通貨市場の中で、アルトコインに関しては、特にバイナンスコイン(前週比+67.84ドル)、Polkadot(前週比+7.31ドル)などが好調であった。
バイナンスコイン(BNB)は、今月10日から19日にかけて、100ドルから220ドルにまで高騰。背景には、Binance Launchpadのトークンセールのほか、DeFi(分散型金融)のステーキング需要、バイナンス・スマートチェーン(BSC)上で稼働する分散型取引所(DEX)、及びパンケーキスワップ(CAKE)活況など複数要因がある。
Polkadotは、異なるブロックチェーン間の相互運用性を実現するPolkadot(ポルカドット)の最新のテストネットで、日本発のパブリックブロックチェーン「Plasm Network」が他のネットワークとの通信に成功。本格的な運用に向けて、大きく前進した格好だ。
関連:ビットコイン一服もネムやバイナンスコイン高騰、BNBは約3週間で4倍に
CMEのビットコイン先物取引のOI(未決済建玉)
シカゴ・マーカンタイル取引所でのビットコイン先物の未決済建玉(OI)は依然として上昇している。
米グレースケール社の仮想通貨購入
今週の購入枚数
BTC:+1640BTC(累計で約655,470BTC)
ETH:+27480ETH(累計で約316万ETH)
ビットコインのオンチェーンデータ
BTCハッシュレート(採掘速度)について
最低値:約150.2TH/s(前週比 100.2%)2021年2月18日
最高値:約160.7TH/s(前週比 96.9%)2021年2月12日
BTC価格について
最低値:約487万円(前週比 125.5%)2021年2月13日
最高値:約552万円(前週比 109%)2021年2月18日
今週、ハッシュレート(採掘速度)は一時的に下降した一方で、BTC価格はまたしても過去最高値を更新する動きをみせた。結果、ハッシュレートとBTC価格は逆相関となった。
ビットコインの採掘難易度と次回の調整予測日
ビットコインのマイニング(採掘)難易度の調整は、2021年2月20日に行われた。
採掘難易度の調整日時:2021年2月20日7時00分
ブロック番号:671,328
変動率:+1.35%
Difficulty(難易度):21.72 T(前回比 101.3%)
平均ハッシュレート(採掘速度):155.47 EH/s(前回比 +101.3%)
平均ブロック生成時間:9分52秒(前回 9分43秒)
次回の採掘難易度調整日:2021年3月6日
前回同様に難易度および採掘速度はいずれも過去最高値を更新する結果となった。
また、年初来1度も前回比を下回っておらず、緩やかに最高値の更新を記録している。
イーサリアムのオンチェーンデータ
ETH2.0ステーキング
デポジット額:317万ETH(前週比 306万ETH)
ステーキング率:2.67%(前週比 2.67%)
イーサリアムのガス代
平均取引手数料:183Gwei(前週:180Gwei)
DeFi(分散型金融)
DeFiプロトコルへ預入れされている、仮想通貨資産の総ロック額(TVL)
TVL:420.9億ドル(約4.44兆円);(前週比+0.79%)
関連:DeFi(分散型金融)とは? 特徴と仕組みを初心者にもわかりやすく解説
クリプト指標
日程 | 指標 |
---|---|
2021年2月22日 |
米証券取引委員会のRipple訴訟、審理前会議を2月22日開催へ |
2021年2月22日 |
仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、ローンチに向けた最終テスト結果の発表 |
2021年2月26日 |
イーサリアム、ガス代に関わるEIP-1559の実装について、Community Callを開催へ |
米証券取引委員会のRipple訴訟、審理前会議を2月22日開催へ
2021年2月22日、米国の証券取引委員会(SEC)とリップル社及び創業者らとの裁判の前段階となる初の審理前会議が決定した。
審理前会議では、被告、原告側両方の弁護士が集まりその後の日程の調整等が行われるとされ、今回は時勢を鑑みて電話会議で行われる模様だ。
また、SECとリップル社は2月15日までに次の内容を含む書類(joint letter)の提出が求められている。
・原告および被告の事実および法的根拠を含む事件の簡単な説明
・考えられる動議
・和解への見通し
関連:米証券取引委員会のRipple訴訟、審理前会議を2月22日開催へ
仮想通貨ネムの新チェーンSymbol、ローンチに向けた最終テスト結果の発表
仮想通貨ネムの次世代ブロックチェーンSymbolにおける最終ストレステストは2月19日に完了した。
計13時間に及んだテスト結果は正常に実行され、ノードの大部分が同期された。また、いくつか調査が必要な点も発見されたが、今のところ主要な問題ではないとの見解を示している。
正式な最終テスト結果発表は、2021年2月22日に公開予定となっている。
EIP-1559の実装に関するCommunity Callを開催へ
2021年2月26日23時、イーサリアムの新提案「EIP-1559」実装に関するCommunity Callが行われる。
EIP-1559は、イーサリアムのトランザクション手数料モデルを抜本的に変更するための提案として議論が行われている。
また、BASE FEEをベースにしたオークションモデルへの変更や支払われたトランザクション手数料のバーン(焼却)といった大きな特徴がある。
ユーザーにとっては、トランザクション手数料として使用されるETHがバーン(焼却)され、供給量が減少することでETHの価格にどのような影響があるかは注目となる。
前週の週次レポート:ビットコイン前週比20%高、グレースケール投信流入は週間+4693BTC|CoinPost週次レポート
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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人
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