「湧く好材料でビットコイン580万突破、テクニカルで不穏な動き」bitbank寄稿の仮想通貨週次市況と各金融市場の騰落率

今週の相場の動きは

今週もビットコイン(BTC)価格は高騰止まらず、約580万円を突破。時価総額も1兆ドルを超えた。

MicroStrategyの発表や、カナダで二つ目となるビットコインETFの開始など、多くの好材料が仮想通貨市場を賑わせた。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

2/19(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

CoinPostで作成

月初来騰落率

CoinPostで作成

年初来騰落率

CoinPostで作成

(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

2/13〜2/19のBTCチャート

CoinPostで作成

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週のビットコイン(BTC)対円相場も堅調。週明けから対ドルで大台の5万ドル上抜けをトライする展開を繰り広げ、17日に同水準を突破した。

先週に引き続き、今週も暗号資産(仮想通貨)市場にとって好材料が立て続けに出ており、相場は過熱感をうかがわせながらも強気派に軍配が上がる形となっている(第1図)。

特に今週は、モルガン・スタンレーのカウンターポイント・グローバル部門(運用資産額1,500億ドル)と、運用資産残高9兆ドルと、業界では「Goliath(=巨人)」とも称されるブラックロックがBTC投資検討に踏み切ったことが注目だった。

双方ともあくまで「検討段階」ではあるが、先週にはバンク・オブ・アメリカ・メロン(BNYメロン)が仮想通貨資産管理業務(カストディ)の年内開始を発表するなど、ウォール街もビットコインを無視できない時代となっていると言えよう。

第1図:BTC対円チャート(1時間足) 出所:bitbank.ccより作成

今月は好材料が湧くように出てきており、BTC対円の月足は本稿執筆時点で201万円(58%)強高と、月足の値幅としては過去最大となっている(第2図)。

仮想通貨業界にとっては嬉しいニュースが次々と飛び込んでくる一方で、相場には「総楽観は売り」という言葉もあり、そろそろプルバックがいつ来てもおかしくない状況とも思える。

また、テクニカル的には、節目の5万ドル乗せに顕著な出来高の増加が伴っていないことや、30日物のヒストリカルボラティリティ(HV)が高い水準で推移していることも少し気がかりで、相場が一度値を固める局面に入るかと指摘される。

商いもやや細り始めており、このタイミングでプルバックが来た場合、相場が5万ドルを維持できない公算も高そうだ。もちろん、この先も運よく好材料が出続ける可能性はゼロではないが、過度な楽観は禁物だろう。

第2図:BTC対円チャート(月足) 出所:bitbank.ccより作成

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回レポート:存在感増すビットコイン、レンジ上抜けは時間の問題か|bitbankアナリスト考察

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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