米SECの投資家教育部門、詐欺プロジェクトに注意喚起

米SECスタッフ、投資詐欺に警戒呼びかけ

米証券取引委員会(SEC)の投資家教育・擁護局(OIEA)と執行部の小売戦略タスクフォース(RSTF)は1日、暗号資産(仮想通貨)を利用した投資詐欺に注意するよう投資家に呼びかけた。

OIEAとRSTFスタッフの見解であり、SEC自体の声明ではないとしつつ、投資詐欺の被害に遭わないために警戒すべきポイントを挙げた形だ。声明文は次のように述べている。

近年、一部のデジタル資産の価格が上昇していることから、大金持ちになる機会を逃すのではないかという「FOMO」を抱く投資家もいるだろう。デジタル資産関連の投資を検討している場合は、時間をかけてその投資の仕組みを理解し、リスクを評価すべきだ。

FOMO(フォーモ)とは

「fear of missing out(取り残されることへの恐れ)」の略。最新の動向に乗り遅れて、人々との交流や魅力的なイベント、利益を挙げる投資などに参加する機会を失ってしまうのではないかという恐れのこと。

▶️仮想通貨用語集

5つの警戒ポイント

具体的には、次の5つの項目を、詐欺プロジェクトに警戒すべきポイントとして掲げている。

  1. 高い投資収益を「保証」している
  2. 未登録事業者
  3. 収益が急上昇すると宣伝
  4. 話がうますぎる
  5. 偽の経験談

まず「ほとんどリスクなし」で「多額の収益」を得られるとすることは詐欺に典型的であると指摘。ウェブサイトなどで掲載された過去の収益は捏造かもしれないと注意を促している。

また、短期間で大きなリターンが得られるなどの宣伝文句は詐欺の手口であることが多いと説明。詐欺プロジェクトは、インフルエンサーや有名人などにお金を払って、ソーシャルメディアで証言させることもあると警戒を促した。

さらに、投資詐欺の多くは、当局に事業登録していない企業によるものであるため「Investor.gov」というウェブサイトの検索ツールで、ライセンス取得事業者か確認することを勧めている。

「Investor.gov」はSECが運営する一般投資家向けの情報サイト。トップページからは、米当局に登録済企業の情報を確認することが可能だ。また投資商品や手数料についての教育コンテンツ、資金が一定期間でいくら増えるかを見積もる計算機なども掲載している。

2,000億円超の詐欺事件

今回の声明は特に、最近の事例として2,000億円超の被害をもたらした「BitConnect」の事件を例に挙げた。

BitConnectは、世界中にプロモーターのネットワークを構築してプロジェクトを宣伝。自動取引ボットなど、同社の提供する独自技術で稼げるとして多くの投資家を引き入れたが、実際には古典的なポンジスキーム(ネズミ講の一種)であることが分かった。

関連米SECがBitConnect創業者らを起訴 仮想通貨関連詐欺で2,000億円超の被害

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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