有価証券関連の調査か
米SEC(証券取引委員会)は3日、大手暗号資産(仮想通貨)分散型取引所Uniswapの開発企業Uniswap Labsを調査していることがわかった。米WSJが情報筋の内容として報じた。
報道によると、SECの取締部門の弁護士が、投資家がどのようにUniswapを利用しているか、Uniswapがどのようにマーケティングしているかについて情報を求めているという。
Uniswap Labsの代表者はWSJの取材で、「同社は法令遵守にコミットしており、規制当局に全力で協力する」とコメントした。一方、SEC側は調査についてコメントを控えた。
また、今回の調査は早期段階にあるようで、必ずしもUniswap Labsに違法行為の疑いがかかっているとは言えないと、WSJは解説している。
Uniswap Labsは7月に、規制への懸念を理由に、フロントエンドに限り、ERC20基準の株トークンやデリバティブトークンといった合成資産(トークン)へのアクセスを制限。当時の発表で、「Uniswapのコミュニティに分散型金融のツールを提供し続けるために、規制分野の動きには常に注意を払っている」と説明した。
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流動性マイニングとは
イールドファーミングを行う人達を惹き付けるため、流動性提供の対価として利息の他にガバナンストークンが付与されることを指す。
イールドファーミングは、DeFi上で仮想通貨を預けて流動性を提供することにより利益を得ること。▶️仮想通貨用語集
SEC委員長の方針か
米SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は最近、DeFi(分散型金融)セクターへの規制に対して意欲を見せている。
先月の発言では、「参加者にデジタルトークンを報酬として付与したり、同様のインセンティブを与えているプロジェクトは規制対象になり得る」と指摘し、今週行われた欧州議会との意見交換会議では、仮想通貨の取引・貸付について、DeFiの取引所にも、投資家保護のための明確な義務が与えられていないと懸念を示していた。
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