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米SECゲンスラー委員長、仮想通貨について欧州議会と意見交換を実施

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨で意見交換

米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は1日、金融サービスについて欧州議会と意見交換を行なった。

議題として暗号資産(仮想通貨)も取り上げ、規制整備の必要性について、最近繰り返し述べている自身の見解を欧州議会にも伝えている。その中で、特に重要視したい内容として「仮想通貨の取引・貸付」と「ステーブルコイン」を挙げた。

オンラインで意見交換を行なったゲンスラー氏は仮想通貨について、「2.1兆ドル(約230兆円)規模のこの資産は、世界中で24時間休みなしで取引されている。この技術は、これまでと同様、金融や通貨の領域における変化のきっかけになり得る」と切り出した。

そして過去の発言と同様、「私は技術には中立だが、公共の政策に関しては中立ではない」と繰り返し、「我々は、新しい技術が誕生した際に、公共政策の目的を達成しなくてはいけない」と主張して、規制整備の必要性を訴えた。

今回も「金融のイノベーションは、公共政策の枠組みの中に取り込んでこそ長期的な繁栄が可能になる」と述べ、これからも投資家や消費者を違法な行為から守り、金融の安定を維持しないといけないと語っている。

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特に議題として取り上げたいとした仮想通貨の取引・貸付については、中央管理者がいるプラットフォームにもDeFi(分散型金融)の取引所にも、投資家保護のための明確な義務が与えられていないと指摘。「残念ながら、仮想通貨には詐欺などの不正行為が蔓延している」と話した。

またステーブルコインについては、すでにかなり利用が増加していると説明。内容を理解しやすいように、ステーブルコインの例として、現在フェイスブック主導で開発が進められているディエムを挙げて主張を行なった。

その上で、取引と貸付の両方でステーブルコインが広く利用されていると今回も主張し、既存の金融システムやマネーロンダリング対策(AML)、制裁等の抜け穴として使われる可能性があると指摘している。

ディエムとは

2019年6月に「リブラ」の旧称で、ホワイトペーパーが発表されたステーブルコイン。当初は、複数の法定通貨などに裏付けされたステーブルコインを計画していたが、金融システムへの影響等を懸念した政府や規制機関から懸念が相次ぎ、現在は米ドルのみに担保されたステーブルコインを発行する方針へ変更している。

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技術に関する質問

ゲンスラー氏は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)で「金融とブロックチェーン」に関する研究・指導を行なってきた。仮想通貨への造詣も深い。

CoinPostの提携メディアThe Blockによると、アイルランドの欧州議会のメンバーから、ゲンスラー氏に対し、技術に関する質問が上がったという。それは「規制当局が投資家保護を実行するために、取引所に適用することができる新しい技術はあるか」という内容だった。

ゲンスラー氏は「AMLや投資家保護のために、プラットフォームをサポートする技術は複数ある」と回答。「ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて対応を行う必要があるが、特に重要なのはソフトウェア。立法機関や規制機関として、技術を活用して対策を行うことはできる」と答えている。

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今後の仮想通貨業界の在り方

1日にゲンスラー氏は、『Financial Times』のインタビューにも応じた。

そこでも仮想通貨に言及し、公共政策の枠組みに取り込む必要性を語ったという。そして、「今から5年から10年後に仮想通貨業界が生き残るには、公共政策の枠組みの中に収まっているべきだ。最終的に金融に必要なのは信頼である」と指摘した。

そして、以前と同様に仮想通貨の多くは有価証券に該当する可能性があると繰り返し、その場合、取引所はSECへ登録して欲しいと主張。「仮想通貨のプラットフォームは許しを請うのではなく、許可を求めるべきである」と話したという。

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