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英FCA長官、仮想通貨の規制を語る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の規制について講演

英金融行動監視機構(FCA)のチャールズ・ランデル長官は6日、講演で暗号資産(仮想通貨)の規制について語った。

不正な広告や宣伝に対して対策を行うには法規制が必要であるとした上で、投機的な資産はFCAによって規制されておらず、大きな損失を被っても金融サービスの補償制度で保護されないと注意を呼びかけている。一方で、有益な技術はサポートする必要があるとした。

FCAとは

英国の金融規制機関。2020年1月10日から、英国ではFCAが仮想通貨企業の監督機関になった。

▶️仮想通貨用語集

ランデル氏の今回の講演のテーマは「経済犯罪」について。講演の原稿も公開されており、ほぼ全て仮想通貨に関する内容となっている。今回強調したのが上述した内容だ。

不正な広告や宣伝については、モデルや女優としても活躍するソーシャライトのキム・カーダシアン氏がお金をもらった上で、インスタグラムの2.5億人のフォロワーに対して、イーサリアムマックス(EthereumMax)のコミュニティへ参加して投資するよう呼びかけた事例に言及。「これは歴史上、最も大きな金融関連の宣伝になったかもしれない」との見方を示した。

そして、インスタグラムの規則に従い、カーダシアン氏は「これは広告である」と説明していたが、イーサリアム(ETH)と混同されるリスクがあったにも関わらず、「イーサリアムマックスが1カ月前に作られた投機的なトークンである」などと説明しなかったことを問題視。これが詐欺であるとは言えないが、SNSのインフルエンサーがお金をもらって、新しいトークンの価格を動かすために、宣伝を行う事例もあると指摘した。

その上で、各プラットフォームが不正な広告に対応しようとする取り組みは歓迎するが、オンライン上の詐欺に継続的に対応するには、法律が必要であると主張している。

金融規制のあり方

投機的な資産で大きな損失を被っても補償されないという注意点については、FCAは以前から消費者に呼びかけてきた。ランデル氏は今回、仮想通貨を規制する上で、法律を制定する際には以下の3点を考慮する必要があると示している。

  • デジタルトークンが金融犯罪に利用されるのをどう防ぐか
  • 有益な技術をどのようにサポートするか
  • 規制されていない投機的なトークンに投資する自由をどこまで与えるか

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ランデル氏は、分散型の世界でやり取りされるデジタルトークンに対する規制の枠組みは、注意深く考えていく必要があると説明。仮想通貨のリスクを指摘する一方で最後のまとめでは、「良い金融規制とは、イノベーション、生産性、経済的な成長をサポートするものだ」とし、技術の進歩と消費者や投資家を保護することの適正なバランスをとる必要があると語った。

また、最も被害の大きい詐欺のような事例は国境をまたいで行われるとし、国際的な協調と共通のルールが必要であると訴えている。

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