CoinPostで今最も読まれています

英金融当局FCA、仮想通貨の投資リスク警告で17億円規模のキャンペーン実施へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

若年層に投資リスクを警告

イギリスの金融行為規制機構(FCA)が、若年層に暗号資産(仮想通貨)の投資リスクに対する注意を喚起するため、1,100万ポンド(約17億円)をかけて、マーケティングキャンペーンを実施することがわかった。

Nikhil Rathi最高経営責任者が、FCAのオンラインセミナーにおけるスピーチで明らかにした。

FCAとは

FCA(Financial Conduct Authority)は、イギリスの金融規制機関。金融行動監視機構とも訳される。

▶️仮想通貨用語集

テクノロジーの急速な進歩により、消費者が簡単にアクセス可能な投資の選択肢が増えたが、新しい投資のプロモーションに関しては「適切な管理が不可欠だ」とRathi氏は強調した。

同氏は、FCAが先月発表した仮想通貨に関する消費者意識調査の結果を受け、「仮想通貨やその他のハイリスクな投資」に手を出す若年層(18歳~30歳)が急増していると指摘し、懸念を表明した。特にこの年齢層は、ソーシャルメディアの影響を受けやすく、「合理的ではなく感情的に行動し、投資を娯楽として捉える」傾向があると述べ、今年1月に社会問題にまで発展したゲームストップ株事件に言及した。

関連:英国政府機関が仮想通貨の最新意識調査 国民はポジティブな姿勢が明らかに

さらにRathi氏は「仮想通貨に投資する人々は、全資金を失うことを覚悟すべきだ」と、投資リスクについて厳しい警告を発している。同様に、FCAの消費者・競争部門責任者であるSheldon Mills氏も、先月、仮想通貨関連の投資商品は規制されていないものが多いため、「全てのお金を失う覚悟が必要だ」と注意を換気していた。

若年層の反応

FCAの投資リスク喚起キャンペーンに対する、仮想通貨ユーザーの反応は手厳しいものが多い。一般的な若年層の傾向を考慮すると、FCAの警告を素直に受け入れるとは考え難いと指摘されている。

実際、ツイッターに寄せられた意見の大半は、「我々はリスクが好きなんだ」というコメントのように、すでにFCAの注意喚起が逆効果になり、仮想通貨への投資意欲という火に油を注いでいるように見受けられる。

税金を無駄遣いするよりも、全額をビットコインに投資してはとの意見も見られた。

仮想通貨投資のリスクよりも、「債務ベースの金融システム、部分準備銀行制度、拡張的な金融政策によるインフレ、法定通貨の価値がゼロになる可能性などのリスクについて教えるべきだ」とのコメントも寄せられている。

より積極的な規制アプローチを

Rathi氏はスピーチで、FCAがより革新的かつ積極的な規制アプローチをとる決意を表明している。特に規制におけるデータの重要性を強調し、データ活用に対する新しいアプローチが組織改革の基盤だとして次のように述べた。

データは現代の規制当局に必要不可欠な活力源だ。我々が行う全ての活動は収集した情報とその利用法によって決まる。

近年、調査で処理するデータの量は増大しており、金融サービス事業自体が、データ主導型のビジネスになっていると同氏は指摘。今後5年間で、FCAは金融機関だけでなく、データの規制機関になるとの考えを明らかにした。

市場における不正行為の監視分野などでは、関係当局との情報共有がすでに行われているが、より体系的に一貫性をもった体制に変革していくという。特に、効果的な実際の行動に反映するためのデータ分析に力を入れ、データサイエンスと行動科学や経済学などを取り入れた、エビデンスベースの意思決定につなげるとのことだ。

そのため、Rathi氏は今後3年間で、FCAのデータおよび技術力強化のために1億2,000万ポンド(約180億円)を投じる決断をしたと発表。最高のデータシステム構築のためにも、人工知能の知識をもち、ビッグテックとフィンテック両方に精通した人物をデータ・情報・機密情報部門の主任に迎えたことを付け加えた。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/30 木曜日
06:05
ブラックロックとInvesco、ビットコインETFの上場申請でSECと再び面談
米SECは現物型ビットコインETFの上場申請について、今週28日に申請側のブラックロック(2度目)・Invescoと会議を行ったことが判明した。ゲンスラー委員長は別のイベントでETF申請についてコメントをした。
05:30
米で13番目のビットコインETF上場申請に、スイスPando
スイスの資産管理会社Pando Assetは米国で、現物型仮想通貨ビットコイン(BTC)ETFの上場申請を行っていることが判明。
11/29 水曜日
21:01
IOTA財団がUAEアブダビ当局と提携、エコシステム成長を促進
仮想通貨IOTAの研究・開発を行うIOTA財団は、UAEアブダビで、金融センターADGMと協力し、プロジェクトを成長させていくと発表した。
18:00
預けるだけで仮想通貨が増える?|CoinTradeのステーキングを解説
出典元:CoinTrade 2023年11月、ビットコイン(BTC)が年初来高値を更新したことをうけ、仮想通貨(暗号資産)業界は盛り上がりを見せています。 一方で「仮想通貨には…
16:28
米財務省 仮想通貨業界への調査権限拡大を議会に要請
米財務省がハマス制裁の一環として仮想通貨業界への調査権限を拡大へ。過激派組織のデジタル資産利用に対抗するための新たな法案を議会に要請し、アンチマネーロンダリング規制を強化する動きを加速。テロ資金の流れを追跡し、国際的な安全保障を高める目指す。
15:33
Coinbase顧客にBybit関連の「召喚状」通知、CFTCの動きに焦点
仮想通貨取引所Coinbaseが規制当局の召喚状について顧客に通知。Bybitの利用歴のあるCoinbase顧客に関する情報提供をCFTCが求める。Bybitは米国サービスを否定もVPNアクセスの可能性あり。Bybitは仮想通貨取引量トップ3で2,000万ユーザーを達成。
14:54
「中国の信用拡大はビットコインへの資本流入を促す可能性がある」ヘイズ氏
仮想通貨取引所BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、中国における信用拡大が世界市場に波及し、結果的にビットコインなどのリスク資産全般への資本流入を促進するとの見解を披露した。
14:00
SNS連携のWeb3ウォレット「TIPWAVE」公開
NextmergeがX(旧Twitter)やDiscordユーザーに便利なWeb3ウォレット「TIPWAVE」を発表。SNSとの連携で暗号資産(仮想通貨)とNFTの利用が簡単に。ソーシャルメディアアカウントに対するNFT配布も可能になる。
12:40
ビットコイン投資商品9週連続の純流入、21年11月の「強気相場」以来最大規模に
暗号資産(仮想通貨)市場では、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物OIがバイナンスを上回る規模を拡大。CoinSharesのデータではビットコインETPなどの投資商品に21年11月以来最大の資金流入を観測した。
11:30
Jドーシー氏、ビットコイン採掘分散化推進の「OCEAN」に投資
ムーモリン社のビットコインマイニングプロジェクト「OCEAN」が620万ドル調達。ジャック・ドーシーも支援し、ブロック報酬をマイナーに直接分配する革新的なアプローチを採用。暗号資産(仮想通貨)ビットコインの分散化と発展に寄与。
10:45
香港行政長官、Hounax詐欺事件について発言
香港の行政長官や規制当局責任者は、仮想通貨取引所Hounaxの詐欺事件について発言し今後の姿勢を示した。また香港警察が事件概要を説明している。
09:50
チェーンリンク、ステーキング機能をアップグレード
チェーンリンクは、ステーキングの新バージョンを仮想通貨イーサリアムのメインネットにローンチしたことを発表。特化する目標や移行スケジュールを説明している。
08:30
ドル円一時147.3円 コインベース株大幅高、米FOMC理事ハト派転換か
コインベースやビットコイン採掘関連株などはFOMC理事のハト派的な発言を受けて大幅に上昇した。今夜は米7-9月期四半期実質GDP改定値が発表される。
07:45
アニモカブランズ、TONネットワーク最大のバリデータに
香港のWeb3大手アニモカブランズは28日、TONのエコシステムに投資し、L1ブロックチェーン「TON」の最大のバリデータになったと発表した。
06:50
CZ氏、バイナンスUSの取締役会会長を退任
仮想通貨取引所バイナンスの米国部門バイナンスUSは、CZ氏が同社の取締役会の会長を退任すると発表。退任はCZ氏が決断したという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア