金融市場の一斉反発で仮想通貨全面高、国内上場銘柄ではテゾス(XTZ)の上昇目立つ
ビットコイン相場と金融マーケット
24日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比+2.3%の491万円(44,510ドル)と反発した。
中国不動産大手、恒大グループの債務不履行(デフォルト)危機への懸念が一時後退し、投資家のリスク選好姿勢が強まった。東京株式市場では、急落の反動もあり日経平均株価が前営業日比一時+600円を超える大幅反発を見せた。
ただし、負債総額3000億ドル(約33兆円)規模まで膨れ上がっているとされる、恒大グループの経営破綻リスクは解消したわけではない。
今回は、期日の迫った「人民元建て債」の利払いを履行したに過ぎず、「米ドル建て債」の利払いなど大量の債務期日に対する支払いや資金繰りの目処は立っていない。同国内で過熱していた不動産バブルを懸念し締め付けを強化する中国政府は、経営破綻に備える動きを見せるも恒大グループの救済措置に踏み切ることには消極的とされ、金融不安は依然として燻っていると言えそうだ。
相場全体が疑心暗鬼にある中、ビットコイン市場では、43,000ドルのサポートライン(下値支持線)を足場にできるかどうかが目下の焦点か。売り込まれてたアルトコインも全体的に買い戻しが入った。
Twitterのビットコイン(BTC)投げ銭機能の搭載も好感されたものとみられる。
なお、デリバティブ(金融派生商品)市場では、9月以降の2度にわたる相場暴落に伴い、過剰なレバレッジを積んだOI(未決済建玉)の大半がすでに整理されたほか、Funding Rate(資金調達率)が再びマイナス圏に転じるなど過熱感がリセットされたことで、需給面は良化している。
その一方、著名アナリストDonAlt(@CryptoDonAlt)氏はビットコイン(BTC)価格について、44,400ドル以下であれば弱気。44,400〜46,200ドルであれば中立。46,200ドル以上であれば強気の水準だと考察。
現状は、「今年4月に三尊天井を形成した、過去最高値60,000ドルからの戻り天井(Complacency Shoulder)に見える」と慎重な見立てを示している。
個別銘柄の動向
反発の強さが目立っているのが、前日比+11.9%の6.4ドル水準を回復したテゾス(XTZ)だ。
9月上旬以降の地合い悪化の影響により、数多くのアルトコインが前週比や前月比で大幅マイナス圏に沈む中、XTZは前週比+4.39%、前月比+25.2%と無類の強さを誇る。今年5月の仮想通貨暴落前、”アルトシーズン”の過去最高値に匹敵する価格であるが、時価総額の高いラージキャップアルトでこの水準に達した銘柄は、ソラナ(SOL)などごく一部しか存在しない。
その背景には、テゾス基盤のNFT(非代替性資産)市場の台頭がある。
米人気女性ラッパーDoja Catが、Tezos基盤のNFTマーケットプレイス「OneOf」でのNFTコレクションセールを発表した。Doja Catは、Twitter340万人のフォロワー、Instagramで1430万人フォロワーを擁する。
一部NFTには、今後の「コンサートチケット」も含まれているほか、NFT保有者は、Doja Cat NFTホルダー限定のDiscordチャンネル「PlanetDoja」にも招待されるという。
手数料高騰が常態化して問題視されるイーサリアム(ETH)チェーンと異なり、代替市場として注目を集めるソラナチェーンやテゾスチェーンでは、安価な手数料で売買・取引ができるという特長がある。
テゾスは今年8月、プロトコルの第7弾アップグレードとなる「グラナダ(Granada)」を完了。ネットワークでのブロック作成時間が半分に短縮されたほか、スマートコントラクトのガス消費量が平均1/3〜1/6まで大幅削減されている。
これは、XTZ保有量に依存するブロック生成権に関わる「リキッド・プルーフ・オブ・ステーク(LPoS)」による流動性ベーキングを促進し、ガバナンスメカニズムと報酬のインセンティブをさらに利活用するものだ。
また、今年5月には「レッドブル・レーシング」と提携。ファン向けのNFT提供方針を示したほか、今年6月には「マクラーレン・レーシング」が、テゾスブロックチェーン基盤のNFTプラットフォーム構築を発表するなど、F1業界とのタイアップも進めていた。
F1業界では24日、デリバティブ大手取引所FTXがスポンサーとなり、「メルセデスAMG」へのロゴ掲載を発表している。メルセデスAMGは、高級車ベンツで有名なドイツのメーカー「ダイムラー」が展開するスポーツ・レース系のブランドだ。
テゾス(XTZ)は、国内取引所だとbitFlyerやGMOコインに上場している。
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