マスターカード、アバランチ開発のAva Labsら5社をサポートへ
マスターカードが仮想通貨関連企業を支援
米決済大手マスターカードは9日、暗号資産(仮想通貨)アバランチ(AVAX)を開発する「Ava Labs」らスタートアップ企業5社を、「Start Path Crypto」の対象に選出したことを発表した。
「Start Path Crypto」とは、マスターカードが新規事業をサポートするプログラム。Ava Labsらとマスターカードはブロックチェーンを活用して、世界の人々や企業が抱える問題を解決する方法を探るという。
同業のVisaとともに、マスターカードも仮想通貨やブロックチェーンという新しい技術を積極的に取り入れようとしてる。10月の第3四半期決算説明会でマスターカードは、仮想通貨サービスの提供やCBDC(中央銀行デジタル通貨)の導入支援に注力していく姿勢を明らかにした。先月には、仮想通貨の経済体系における3つの事業戦略を示している。
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マスターカードはスタートアップ企業のサポートを以前から行なっており、10月には「Start Path」という「レイター・ステージ」の企業を対象にした支援プログラムに、仮想通貨カストディ企業「GK8」やNFTマーケットプレイス「Mintable」など7社を選出。「Start Path Crypto」は「Start Path」の1つで、仮想通貨とブロックチェーンに特化した支援プログラムだという。
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今回選出された企業
今回の「Start Path Crypto」に選ばれたのは以下の5社。
- Ava Labs:アバランチブロックチェーンを開発
- Envel:AIを活用した銀行アプリを開発。USDCの利用も計画中
- Kash:貯蓄や投資などができるP2Pプラットフォームを提供。ステーブルコインの活用も計画中
- LVL:ビットコイン(BTC)の銀行アプリを開発
- NiftyKey:NFT(非代替性トークン)を活用した仮想通貨報酬プログラムのプラットフォームを開発。メタバースと現実世界の架け橋を目指す。
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デジタルインフラやフィンテックに関するマスターカードの部署の幹部は、最近は強い勢いで仮想通貨やNFTが発展し、世界でCBDCの実験も進められているとの認識を示した上で、以下のようにコメントした。
我々は次のステージに注目し、新たな問題やユースケースを探している。
金融の自由を広く提供したり、ステーブルコインを活用して新しいサービスを提供したりするために、「Start Path」の新しい仲間が取り組みを加速してくれるはずだ。
また、Ava LabsのトップJohn Wu氏は以下のように述べた。
マスターカードは、イノベーションを抑制するのではなく、どのように取り入れるべきかについて、前例を作ってくれている。
世界の人や組織にブロックチェーンの恩恵をもたらす取り組みを加速させるために、「Start Path」の仲間と協業していきたい。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します