新NFTプラットフォームLooksRare、OpenSeaからユーザー獲得狙う

OpenSeaユーザーの誘引狙う

新たなNFT(非代替性トークン)プラットフォームLooksRareは10日、サービスのローンチを発表した。

大手NFTマーケットプレイスOpenSeaに対抗する形で、エアドロップなどをインセンティブに既存ユーザーの誘引を図る。

公式サイトによると、LooksRareは、コミュニティ重視のマーケットプレイスで、ユーザーの要望に基づいて新機能を開発すると主張している。

また、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上に存在するすべてのNFTを索引できるようにしてあり、OpenSeaで売買されていないものも含め、すぐに取引できる状態だという。

ユーザーはNFTを、イーサリアムや、イーサリアムのラップドトークンである、ラップドイーサリアム(wETH)などで取引することが可能。

ZoddとGutsと名乗る、2人の匿名の共同設立者によって立ち上げられたプラットフォームで、さらにエンジニアを中心とした9人のチームも有している。

ラップドトークンとは

他の仮想通貨の価値と紐付けられた仮想通貨のこと。預けられたオリジナル資産を裏付けとしたトークンを作成することで、実質的に様々なブロックチェーンでそのトークンを活用できるようになる。一例としては、ビットコインをイーサリアム上で使えるようにしたラップドBTC(wBTC)が挙げられる。

▶️仮想通貨用語集

ヴァンパイア攻撃の全貌

LooksRareは、オリジナルトークンLOOKSトークンのエアドロップ(無料配布)も実施。

昨年6月16日から12月16日の期間中、OpenSeaで3ETH以上の取引をした人は、LOOKSトークンを無料で受け取ることができる。同トークンはLooksRareユーザーへの報酬に使われるものだが、今回はOpenSeaの既存ユーザーを獲得するための戦略として、エアドロップを行っている模様だ。

このように、既存プロジェクトからユーザーベースを奪い取ろうとする試みは、仮想通貨セクターで「ヴァンパイア攻撃」と呼ばれている。2021年10月には、InfinityというNFTプラットフォームも、トークンのエアドロップなどにより、OpenSeaからユーザーを吸い取ろうとする試みを行っていた。

ヴァンパイア攻撃とは

既存プロジェクトをコピーし、従来のサービスよりも高いAPY(金利)や優れたインセンティブを提供することにより、既存ユーザーや、プラットフォームの流動性およびトレード量を奪い取ろう行為を指す。

▶️仮想通貨用語集

LooksRareは、エアドロップの他にも、報酬システムなどでユーザーを誘致。例えば、ユーザーが対象となるコレクションのNFTを売買すると、LOOKSトークンを受け取ることができる。

また、すべての取引に2%の手数料を課しているが、これはLOOKSトークンをステーキングしているユーザーに報酬として配布される仕組みだ。

LOOKSトークンは10日にリリースされ、分散型取引所Uniswapで取引開始。リリース直後の最高値は約5ドル(約580円)だったが、現在は約2ドル(約230円)まで下落。トークンの総供給量は10億LOOKSに設定されている。

LooksRareは、公式サイトで「我々は、コミュニティよりもビジネスを重視する者たちが、自分を育ててくれたコミュニティに報いるのではなく、IPOを求めることにうんざりしている。そこで、もっとよいプラットフォームを作りたい」とも説明した。

これは、OpenSeaの最近の報道に言及したものと思われる。OpenSeaのBrian Roberts CFOが昨年12月、IPO(新規株式公開)を示唆する発言を行ったが、コミュニティの反発を受けて、これを否定した経緯があった。

Roberts氏は、現在IPOを計画してはおらず「もし計画することがあれば、コミュニティーを巻き込んでいきたい」と改めて話していた。

関連OpenSea利用者にエアドロップのSOSトークン、時価総額300億円に接近

OpenSeaは最大手のNFTマーケットプレイス。21年6月以降はNFTの月間取引量の大半を占めている。また、1月におけるNFT取引量は既に16億ドル(1,800億円)を突破するなど、現状を維持できれば8月に記録した最多月間取引量の31億ドルを上回るペースだ。

関連月間取引高30億円超を記録のNFTマーケットプレイス「OpenSea」活用ガイド

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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