軍事的緊張続くウクライナ情勢、ビットコインなど金融市場乱高下
仮想通貨市況
ウクライナ情勢を巡る懸念が強まり、18日のニューヨーク株式市場は前日比−232.85 (0.68%)と続落。投資家のリスク回避姿勢が目立った。 暗号資産（仮想通貨）と相関性の高いナスダック市場も例外ではなく、前日比−168.65 (1.23%)と下落した。
BTC情報アラート（@btc_status）によれば、直近の相関係数はS&P500が0.5、Nasdaq100が0.74と極めて高い水準を維持している。とりわけ、ハイテク株（グロース）中心に構成され、金利上昇局面に弱いナスダック市場とビットコイン市場の連動が目立つ。
一方、日本時間9時半頃には、「仏マクロン大統領が提案した米露首脳会談を米国、ロシア双方が原則受け入れた」とするAFP通信の報道で米株式先物市場が反発。リスクオフ加速に伴い、前週末終値比で一時500円超値下がりしていた東京株式市場（日経平均株価）、暗号資産（仮想通貨）市場も反発した。
「米露首脳会談」の開催は、ウクライナ侵攻が行われないことが前提条件。24日に開催予定の米露外相会議で協議内容の大枠が決まるものと見られる。
これに先駆け、ロシアはウクライナ国境付近で実施するベラルーシと合同軍事演習の延長を発表した。当初の予定では2月20日に終了予定だったが、ウクライナ東部の治安・情勢悪化を理由に撤収しなかった。これにより、ウクライナ周辺に展開する大規模な軍事的圧力を残すことになる。
ウクライナのレズニコフ国防相は20日、攻撃部隊の展開を根拠に「ロシアによる侵攻の兆候はない」と言及。「露プーチン大統領が決断し、数日以内に侵攻する可能性が高い」と警鐘を鳴らしていた米バイデン大統領の認識と乖離を示した。米国によれば、ロシアがウクライナに侵攻した場合、首都キエフ以外に複数の都市も標的となるおそれがある。
このような情勢の緊迫化を受け、G7（＝主要7か国）は19日に緊急の外相会合を開催。「ロシアがウクライナに軍事侵攻した場合、経済制裁など前例のない規模の代償を払わせる」と警告している。
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21日の暗号資産（仮想通貨）市場では、ビットコイン価格は、前日比-1.83%の451万円（39,130ドル）と下落した。
20日の安値38,052ドルからは若干反発している。北大西洋条約機構（NATO）の主要加盟国であるフランスの仲介で「米露首脳会談」の条件付き開催が伝わり、ショートカバーを誘発したか。
月足始値は38,492ドルで月足高値は45,855ドル。2月の月足を上髭陰線で閉じるようであれば、米連邦公開市場委員会（FOMC）で利上げが見込まれる3月に向けてより厳しい情勢が見込まれることもあり、心理的節目の40,000ドルを挟んだ攻防が注視される。
ブルームバーグのデータによれば、今月初め、ビットコインとナスダック株式市場の相関係数は過去最高水準の0.74まで上昇した。FRB（米連邦準備制度）の金融政策とウクライナ情勢が金融市場のカギを握っていると言っても過言ではないだろう。
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なお、dave the wave（@davthewave）氏のマクロ分析によれば、前回の仮想通貨バブル崩壊（2018〜2019年）と類似した下落トレンドを踏襲するのであれば、最も悲観的なシナリオでは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の23,323ドルを視野に入れる必要がある。
暗号資産（仮想通貨）市場心理を示すCrypto Fear & Greed Indexは、再びExtreme Fear（極度の恐怖）水準である25に達した。前週まではBTC価格の反発で46まで回復していたが、ウクライナ情勢の緊迫化に伴い市場心理が再び急悪化した。
アルトコイン市場の動向
ブロックチェーン分析プラットフォームのSantimentによれば、XRP（リップル）のクジラ（大口投資家）が、過去5年間で2番目の規模の長期的な買い集めを進めている。
これはXRPネットワークの供給分布によるもので、1000万XRP以上を保有するアドレス群が、8億9700万XRPを蓄積していることを示している。今年初めには、XRP Ledgerのアクティブなアドレスの数が過去最高まで増加していた。
XRPを開発する米Ripple社は20年12月、米SEC（証券取引委員会）に「未登録証券としてXRPを販売した」として有価証券問題で提訴され、裁判が続いている。
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