ビットコイン高値圏で踊り場迎える、プレゼンス高めるSOLが前日比+12.0%
仮想通貨市況
31日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比1.51%安の576.2万円(47,208ドル)と下落した。
日足の連騰記録は8で途絶えたが、利益確定売り優勢となるのは予定調和か。急騰を繰り返すとその分反動も大きくなるため、息の長い相場を予期させるためには、然るべき踊り場も不可欠だろう。
市場占有率を示すビットコイン・ドミナンス(BTC.D)の推移も興味深い。2021年にはビットコイン(BTC)相場の高騰に伴い、2017年の仮想通貨バブル以来、約3年ぶりに本格的な”アルトシーズン”が再来した。
過去の相場サイクルからすると、52,000ドル付近のレジスタンスライン(上値抵抗線)を超え、最高値更新に向かうなど本格的な強気相場に突入した場合、アルトコイン市場に物色の矛先が向かう可能性は十分あり、ETH/BTC価格とドミナンス推移の相関を含め示唆に富んでいる。
混迷を深めるウクライナ情勢を筆頭に相場の不確実性が払拭しきれぬ中、現時点で本格的なリスクオンとなるかどうかを判断するのは早計で、今後数ヶ月間の金融市場、及びビットコインの動向次第と言えそうだ。
アルトコイン市場の動向
アルト市場の個別銘柄では、日本国内の取引所に先日上場したソラナ(SOL)が前日比+12.0%、アバランチ(AVAX)が前日比+10.5%となった。
ソラナ・ブロックチェーン基盤の運動系NFT(非代替性トークン)ゲームである「STEPN」のアクティブユーザー数が、ローンチ数ヶ月で10万人規模を超えるなど急拡大しつつあるほか、イーサリアムエコシステムの最大手マーケットプレイスOpenSeaが、SOL決済の導入とソラナ系NFTの対応予定を発表したことも追い風に。
STEPNは、歩いたり走ったりして運動で暗号資産を稼ぐことができる「Move to Earn」を掲げるブロックチェーンゲーム。現在はパブリックベータ版の招待制であり、新規参入を制限している。
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OpenSeaはすでに、イーサリアム(ETH)のほか、ポリゴン(MATIC)、及びKlatyn上で発行されたNFTの取引に対応しており、先の時代を見越した「マルチチェーン」対応を進める。
NFT(非代替性トークン)市場やDeFi(分散型金融)市場において、イーサリアム(ETH)の取引手数料(Gas代)問題高止まりが多くのユーザーに多大な影響を及ぼす中、手数料が安価で送金速度も早いソラナチェーンとOpenSeaと互換性はユーザビリティを高め、ソラナエコシステムにとっても流動性向上に大きく寄与する可能性がある。
また、Unchained Podcastのインタビューで、TerraformLabsのDoKwon CEOは、「暗号資産の中で、最大の分散型マネーになることを目指す」と言及。ソラナ(SOL)のエコシステムをはじめ、アバランチ(AVAX)、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)などにも言及した。
テラのエコシステムをサポートする非営利組織「Luna Foundation Guard(LFG)」が、米ドルに連動したステーブルコインステーブルコイン「TerraUSD(UST)」の信頼性の担保と価格安定化を図るためにビットコイン(BTC)の大量保有を進める中、市場の関心を一身に集める。
DoKwon CEOはインタビューにて、最終的に100億ドル(1.2兆円)相当のBTCを買い入れることで、「ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモトを除き、歴代最大のBTC保有者になる」と指摘。そのメリットを強調した。
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