米コインベースのNFT電子市場、ベータ版をローンチ 複数のプロックチェーンに対応へ
NFT電子市場のベータ版をローンチ
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは20日、NFT(非代替性トークン)電子市場のベータ版をローンチしたことを発表した。
誰でもプラットフォームを閲覧はできるが、売買できるユーザーは限定されている。以前の発表の通り、現時点でサポートしているのはイーサリアム(ETH)ブロックチェーンのNFTのみ。これからベータ版の試験運用を行い、誰でも売買できるようにしたり、他の複数のブロックチェーンもサポートしたりしていくという。
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電子市場の名称は「コインベースNFT」。最初にコインベースが独自のNFT電子市場を発表したのは昨年10月だった。その後1月には、米決済大手マスターカードとコインベースNFTが提携することも発表している。
10月の発表以降、コインベースは開発をオープンにし、NFTコミュニティからフィードバックも受けながら電子市場の構築を継続してきたという。その中で、ユーザーはただNFTを売買するだけでなく、良いNFTを発見したり、コミュニティを見つけたり、お互いがつながれたりできる方法を求めていることを知ったと説明している。
その上で、コインベースNFTをただ取引が行えるだけでなく、他のユーザーをフォローしたり、コメントをやりとりしたりできるような場にしていくと述べた。CoinPostの提携メディア「The Block」が参加した記者会見でコインベースの幹部は「クリエイターとコレクター、またコレクター同士が関わりを持てるという点が、我々の戦略の重要なポイントだ」と語ったという。
ベータ版では、売買とコメント投稿といった機能が利用可能になっている。
コインベースNFTの利用には本人確認が必要。ベータ版を利用できるユーザーは「早期アクセス用順番待ちリスト」から選ばれている。現在、電子市場の売買には「コインベースウォレット」のようなセルフカストディ型のウォレットも必要だとした。
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セルフカストディ型のウォレットとは
取引所などではなく、自分で秘密鍵を管理して資産を保有するために使用するウォレットのこと。「自己ホスト型ウォレット」や「自己管理型ウォレット」などと呼ばれることもある。
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今後の計画
現在は限定的にコインベースの取引手数料は不要だが、これから業界の基準に合わせて徴収する計画だと説明。The Blockによれば、ガス代を最適化できるように、DeFi(分散型金融)プロジェクト「0x」と協業するという。
以前発表したクレジットカード決済は導入に向けて、これからも準備を進めていく予定。他のブロックチェーンへの対応を進める以外にも、段階的に新しいNFTや機能を追加していくとした。
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