Web3.0ゲーム企業「LootRush」、約15億円を資金調達 Paradigmやa16zらが出資
Web3.0ゲームの普及拡大へ
Web3.0(分散型ウェブ)のゲームサービス企業「LootRush」は6日、シードラウンドで約15億円(1,200万ドル)の資金を調達したことを発表した。
今回の資金調達は、暗号資産(仮想通貨)やWeb3.0に関連したプロジェクトに投資する「Paradigm」が主導。他には「アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)」 や「Y Combinator」といった企業らに加え、「Axie Infinity」や「Dapper Labs」の創業者らも出資した。今回調達した資金でLootRushは、Web3.0ゲームに容易にアクセスできるようにするためのサービス開発を加速させる。
LootRushは2021年に創設された米拠点の企業。Web3.0の技術を活用したゲームを、スマートフォンゲームのように簡単に始められるようなサービスを開発している。同社は今回の発表で、Web3.0のゲームは以下の3点が普及の課題になっていると指摘した。
- 準備に技術的な知識が必要
- 高額なお金が必要になる場合がある
- ゲームを始めるまでに時間がかかることがある
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同社はこういった参入障壁を全て解決することをミッションにしている。LootRushのプラットフォームからゲームを始めるユーザーは、事前に専門家らが選んだNFT(非代替性トークン)の中から自身が使用するものを選んで借りたりすることができ、通常よりも容易にゲームを開始することが可能だ。
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LootRushは、ユーザーがゲームをやりたいと思ってから数クリックで開始できるようなサービスを開発しており、今回獲得した資金で事業を加速させるという。これから正式なサービス開始に向けて、開発を続けていくとした。
同社のプラットフォームには「Gods Unchained」、「CryptoKitties」、「Top Shot」、「Star Atlas」などのゲームが掲載されているが、現在サポートしているのは「Axie Infinity」のみ。今後の計画については、また近くに発表すると述べている。
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Web3.0のゲーム業界の動向
ブロックチェーンやNFTの技術を活用したWeb3.0ゲームは人気が高まっており、資金調達の事例も多く発表されている。Dapper Labsは先月、Blockchain Game Alliance(BGA)と共同で、ブロックチェーンゲームに関するレポートを発表。2022年1Q(1月から3月)は前年同期と比べて、ユーザーの活動が2,000%増加したことなどを報告した。
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最近の資金調達事例については、国内ブロックチェーンゲーム企業「double jump.tokyo」が先月、約30億円の資金調達に成功したことを発表。IP(知的財産権)を活用したゲームの共同開発や組織体制の強化を図るという。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します