米キャッシュアプリ、ビットコイン収益が前年同期比で五割減
ビットコイン価格が影響
米フィンテック企業Block(旧スクエア)は5日、2022年第1四半期(1月〜3月)の株主通信で、同社の決済アプリCash App(キャッシュアプリ)が、2,255億円(17.3億ドル)のビットコイン収益を計上し、56億1,000万円(4,300万ドル)の粗利益を生み出したと報告した。
収益に関しては前年同期比で51%減、粗利益は42%減となったが、2年間の年平均成長率ベースでは、それぞれ138%と155%の増加になった。
Block社は、当該四半期中のビットコインの価格が「比較的安定していたことから、消費者の需要や取引活動に影響を及ぼし」、収益、粗利益ともに前年同期比で減少した要因となったと説明している。つまり、ビットコイン価格の低迷が消費者の購買意欲を削ぎ、取引活動が減少したということだろう。
キャッシュアプリ全体の収益は3,217億円(24.6億ドル)で前年同期比で39%減少したが、粗利益は816億円(6.24億ドル)で26%増加。2年間の年平均成長率ベースでは、それぞれ116%と85%の増加となった。
なお、ブロック社全体では、ビットコインからの収益低下が影響し、前年同期比22%減の5,178億円(39.6億ドル)の収益となった。一方、ビットコインを除くと、同社の収益は2,916億円(22.3億ドル)で、前年より44%増加。粗利益は34%増加の1,687億円(12.9億ドル)だった。
ビットコインの普及を促進
ツイッターの共同創業者ジャック・ドーシー氏が最高経営責任者を務めるBlock社は、ビットコインの認知度の向上と普及に注力していることで知られている。株主通信では、その成果として、2022年3月末現在、キャッシュアプリでは1,000万以上のアカウントがビットコインを購入したと指摘した。
キャッシュアプリは昨年12月、ビットコインのギフト送信機能を実装。今年4月には大量のトランザクション処理が可能なライトニングネットワークを利用して、キャッシュアプリと互換性のあるウォレットユーザー(米国限定)との送受金が可能になったと発表した。
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さらに、ビットコインによる支払いの受け入れが可能な口座振込機能を実装。定期的な給与振込では、その一部を取引手数料なしにビットコインで受け取ることが可能になった。
ライトニングネットワーク
ライトニングネットワークとは、ビットコインのトランザクション処理能力を解消するため、レイヤー2を利用したオフチェーン技術のこと。ライトニングネットワークの導入で取引の高速化や手数料削減が実現し、少額決済が行えるようになる。
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Block社の動向
Block社は現在、オープンソース化されたビットコインのマイニングシステムを構築中で、今年2月には、米半導体メーカーのインテル(Intel)独自のマイニングチップを購入した(年内に出荷)。同社は昨年、ビットコインマイニングに再生可能なエネルギーを導入する企業をサポートするため、「Bitcoin Clean Energy Investment Initiative」を立ち上げている。
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また、同社は今年3月、デジタルウォレットアプリ「Kyash」の開発会社のシリーズDラウンドに出資したことが報じられた。KyashはApple PayやGoogle Payの支払いやVisaカードの発行に対応しているウォレット。
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