バイナンス、スペインで仮想通貨ライセンスを取得
欧州でのライセンス取得は3件目
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは8日、傘下企業のMoon Tech社が今週スペイン銀行から仮想通貨サービス提供業者(VASP)ライセンスを取得したことを発表した。
スペインでは、中央銀行がVASPの法的コンプライアンスの監督を行なっており、バイナンスのAML(資金洗浄対策)やCTF(テロ資金提供防止)などの遵守を取り締まる。バイナンス子会社のMoon Tech社が同ライセンスを7日に取得したことで、バイナンスは以下のサービスをスペインで提供可能となった。
- 仮想通貨とユーロなどの法定通貨との交換サービス
- 仮想通貨カストディの提供
- 電子ウォレットの提供
今回のライセンス認可について、バイナンスのチャンポン・ジャオ(通称、CZ)CEOは以下のようにコメントした。
効果的な規制は仮想通貨の幅広い普及にとって必要不可欠だ。我々はコンプライアンスツールに大きく投資しており、我々が業界で最も安全で信頼性のあるプラットフォームであり続けるポリシーなどを導入している。
Moon Techの登録認可は、ユーザーの消費者保護を最優先する我々の努力とコミットメントの表れだ。
また、バイナンス・スペインのディレクターであるQuim Giralt氏は今後「スペインでのチームとサービスを大きく拡大していく」と発言。今後数年間にかけて、スペイン市場での人材採用を進め、同国の仮想通貨エコシステムの成長に貢献する姿勢を示した。
法的コンプライアンスの強化で進展
2021年半ばにかけて、バイナンスは日本、ドイツ、イギリスなど、世界各国の金融当局から警告を受けていた。
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これを受け、バイナンスのCZ CEOは21年7月末、世界的なコンプライアンス体制を強化する方針を記者会見にて表明。各国で取引所ライセンスを取得するほか、KYC(本人確認業務)の体制を強化など、5つの対策を導入することを発表した。
今回スペインで取得したVASPライセンスは欧州地域においては3ヵ国目。これまでにはフランスとイタリアで同様のライセンスが認可されていた。
また、22年3月にはバーレーンで中東地域では初となるVASPとしてのライセンスを取得。さらに、ブラジルでもライセンスを取得済みのブローカー企業買収を試みる形で南米市場への参入も図っていた。
最近では、西アフリカ・セネガルの大統領や中銀関係者を表敬訪問するなど、規制当局との関係を重視した世界的な展開が目立つ。
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