40年ぶり高水準のCPI発表で相場乱高下、ポリゴン(MATIC)は前日比18%高
仮想通貨市況
13日の米国市場は、ダウが前日比208ドル(0.67%)安となり主要3指数も揃って下落した。
注目された6月のCPI(米消費者物価指数)発表は、40年ぶり水準の上昇率となる前年同月比9.1%を記録し、市場予想を上回った。ガソリン価格や食料品の上昇が著しく、5月の前年同月比8.6%上昇からさらに加速した。
市場関係者からは「7月27日の米連邦公開市場委員会米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、0.75%(75bp)の追加利上げは決定的になった」との声が聞かれるほか、米アトランタ連銀総裁や野村証券エコノミストらは1.00%(100bp)の追加利上げもあり得るとの見解を示している。
FF金利を1.00%利上げするとの見方は8割近くまで上昇しており、織り込みつつあるとも言える。
CME FedWatch Toolは、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の金利先物データを基に、FOMCの政策金利発表における利上げ確率(織り込み度)を算出したものだ。TARGET RATEの推移を確認すると、今回のCPI発表前日までは0.75%予想が92.4%を占め、1.00%予想は7.6%に過ぎなかったが、一夜明けて完全に逆転した。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比+4.3%の279万円(20,210ドル)で推移している。
CPI発表直後は急落したが、その後ショートカバー優勢となった。今後27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、市場がどこまで織り込めているかが焦点になるだろう。
当面は、利上げ見通しに関する金融当局者の発言で相場の不確実性が高まることが想定され、仮想通貨市場では後述するセルシウス破産の影響も懸念される。
セルシウス破産
暗号資産(仮想通貨)の大手レンディングサービスCelsius Network(セルシウス)が、破産申請を行ったことを発表した。
世界的な金融市場環境の急悪化と大手ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)破産に伴うデフォルト(債務不履行)の影響を受けたものと見られ、連鎖破綻はVoyager digitalに続いて2例目となった。
申請書によると、同社の負債総額は推定10億ドル~100億ドルに上る。手元資産の1億6700万ドルを活用して再建計画を組み立てるという。
セルシウスは6月初旬以降、極端な市況を理由に、資金引き出しや送金などのサービスを突如停止して顧客資産を事実上凍結していた。今回、巨額損失を抱えたセルシウスが破産したことで、債権者である取引先企業や170万人の顧客への影響、保有資産の処理を巡る市場への影響が懸念される。
アルトコイン相場
ディズニーランドなどを運営するエンターテイメント複合企業「The Walt Disney Company」は14日、ポリゴン(MATIC)が今年のアクセラレータプログラムで開催されることを発表した。
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アクセラレータプログラムとは、大手企業が新興(スタートアップ)企業との協業・出資を目的として開催されるプログラムのこと。ポリゴンは、ブロックチェーン企業としては唯一選出されており、Webアプリケーションと仮想通貨のトランザクションを統合する機能に関心が寄せられた可能性がある。
ディズニーに選出されたのは、Polygon、Flickplay、Lockerverse、Inworld、Obsess、Red6の6社。
NFT(非代替性トークン)関連企業では、メタバースゲーム「The Sandbox」と提携したFlickplayや、21年12月にNFT関連商標を出願したLockerverseの2社が選出された。Flickplayについては、双方のプラットフォーム間でデジタル資産を相互運用可能な「相互運用性」が評価されたものと見られる。
ディズニーは昨年の決算説明会で、CEOがメタバース(仮想空間)に言及するなど関心を寄せており、水面下で独自メタバース・NFT構想、及び他企業との提携話が進行している可能性もありそうだ。
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